クウェート:サバーフ首長が国防隊に最高度の警戒を呼びかけ‎‎
2019年05月14日付 その他 紙


■クウェート首長、中東地域における「深刻な進展」を受け国防隊に最高レベルの警戒を呼びかけ

【クウェート: アナトリア通信社】

クウェートのサバーフ・アフマド・ジャービル・サバーフ首長は、「我々の地域で起こっている深刻な進展」(下部の注を参照)を受け、月曜、国防隊に対して最高レベルの警戒を喚起した。
 
国営通信社によると、サバーフ首長は総司令官本部を訪問した際の発言の中で、国防隊に対し、「我々の地域で起こっている深刻な進展は諸君にも明らかである」と述べた。
 
同首長は、「諸君に託された重要な任務の遂行、特に公的機関の保護に関しては最高レベルの注意と警戒が必要な状況であり、諸君はその責任を全うするよう命じられている」と強調した。

同首長はまた、「諸君が果たしている、軍や警察の同胞と協力して尊い祖国の平和と安定を守り維持するという名誉ある職務はまさに評価すべきものである」と付け加えた。

国防隊は1967年に設立された軍事機関で、要請があればいつでも軍や公安機関と協力して祖国の防衛に貢献する。
 
この発言は、ペルシア湾で日曜日に起こった複数の貨物船への「破壊活動」をサバーフ首長が非難した数時間後に発表された。諸々の声明によると、それらの貨物船のうち2隻はサウジアラビアの石油タンカーであり、さらにそのうち1隻はアメリカに向かっていた。

今週初め、米国は「イラン政権の勢力による真の脅威の存在を示す兆候」が現れた直後、中東に空母と戦略爆撃機を展開すると発表した。

アメリカ・イラン両政府の間の強い緊張の中、「フッラ」チャンネル(訳注:アメリカに拠点を置くアラビア語衛星放送局)は、パトリック・シャナハン米国防長官代行の言葉として「米国の権益に対するいかなる侵害にも相応の対抗措置がとられることをイランが理解することが重要である」と伝えた。

世界のエネルギー輸送の主要動脈であるホルムズ海峡を巡っては、アメリカがイランの石油輸出を「全面停止」しようとする動きに対抗してイランがこれを封鎖すると脅迫した後、アメリカ政府・イラン政府・湾岸諸国の間で舌戦が勃発していた。

注)5月12日(日)サウジアラビアの石油タンカー2隻がホルムズ海峡付近で攻撃を受けた。その内の1隻はアメリカに向かうもので、対立するイランの関与が疑われている。地域大国であるサウジアラビアとイランに挟まれた小国であるクウェートは、ホルムズ海峡経由で輸出する原油に依存する。湾岸情勢悪化に対し極めて脆弱であるため、危機感を強めている。

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( 翻訳者:藤垣順気、山下総一郎、猪俣陽気 )
( 記事ID:46783 )