エジプト・スーダン:ブルハーン議長がカイロ訪問、戦略的パートナーシップの強化を確認
2019年05月26日付 al-Hayat 紙
■エジプト:ブルハーン議長が訪問、民主化運動に関わりなく戦略的パートナーシップを強化
【カイロ:リハーブ・アリワ】
スーダンの暫定軍事評議会議長を務めるアブドゥルファッターフ・ブルハーン中将は、カイロを訪問した。今回の訪問は、4月に起きたオマル・バシール前大統領の解任以来、初の訪問となった。同中将のカイロ訪問は、スーダンの暫定指導部が、エジプトとの二国間の強固な戦略的関係を継続する意向であることを反映したもの。同時に、エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領は、エジプトはスーダンの安全保障と安定をきっちり支えていくと表明した。
エジプトとスーダン両政府間の連絡調整は、スーダンの民衆運動開始以降も途切れていない。エジプトの国営通信が報じたところによると、変化の激しい現地情勢の把握およびスーダン国民の選択と自由意志に対するエジプトの完全な支援表明のため、エジプトのハイレベル代表団(構成メンバーについては非公表)はハルツームを訪問した。同訪問は、バシール大統領解任から1週間後に行われた。
元外務大臣補佐官のナビール・バドル氏は、ブルハーン議長のカイロ訪問の重要性に言及した。同氏によると、戦略的パートナーシップおよび前政権がエジプト政府と結んだ協定の履行継続という点や、エジプトのスーダン国民に対する支援および地域勢力による現在のスーダンの状況の悪用防止に必要な手段の提供という点など、今回の訪問でいくつかの論点が示された。
バドル氏は、本紙に対する発言の中で、今回の訪問では、スーダンは政治的イスラーム組織と対峙するエジプト陣営の側に今後回るだろうということが示唆されたと指摘した。同氏は、スーダンでは様々な局面において、政治的イスラーム組織を支援する意図で、外部からの内政干渉の試みや、トルコやカタルをはじめとする地域諸国に資する目的でスーダンの方針を捻じ曲げようとする工作が行われてきたと述べた。
同氏は続けて、次のように発言した。「今回の訪問では、エジプト-スーダン関係が以上のような思惑を超えたところにあり、エジプト政府との協調路線を外れることはスーダンにとって益をもたらさないことが確認された」。同氏はその論拠として、ブルハーン議長が、国民同士の関係と公式の関係双方において、スーダンはエジプト政府と協力していくと述べたことを指摘した。
さらに、スィースィー大統領はブルハーン議長の訪問について、これはナイル渓谷に住まう両国民を結ぶ永久不滅の繋がり、エジプトとスーダンの歴史的繋がり、母を同じくする両国民を結ぶ共通の運命・利益を映し出すものであるとの見方を示した。
エジプト大統領府報道官が発表した昨晩(25日)の声明によると、大統領はスーダンで現在起きているあらゆる出来事・応酬を注意深くフォローしていると述べ、エジプトはスーダンの安全保障及び安定をきっちり支援し、国家機構を維持しつつスーダンの未来を作っていくスーダン国民の自由意志と選択を支持すると述べた。また、同大統領は、スーダンに住む我々の同胞が、外部の介入を受けずに自分たちの望む形でこの局面を乗り越えることができるよう、彼らを支援するためのあらゆる手段を提供する準備がエジプトにはあると表明した。
これに対し、ブルハーン議長は、エジプトとスーダンの国民・政府間に古くから存在する強固な結束を強調し、両国間の協力関係を更なる高みに引き上げようとする現在の取組を称賛した。また、同議長は、スーダン国民と彼らの選択、そして重大な歴史的転換点にあるスーダンの安全と安定の維持のために、エジプトが国境を越えて支援してくれることを高く評価した。
また、ブルハーン暫定軍事評議会議長は、スーダンの現状とその対応のための取組を振り返り、エジプトがスーダン国民を支援する意向を示したことに対して謝意を表明した。
エジプト大統領府報道官によると、大統領はスーダン国民と同国の国家機関が安定を取り戻し、スーダンの国力を保つことができると信じていると述べ、スーダン国民のために、兄弟国スーダンがこの局面において得るべき成果を達成し、経済危機に立ち向かうことを、地域及び国際社会が一致団結して支えていくことの重要性に言及した。
また、スィースィー大統領は、エジプトはあらゆる共通の関心事項においてスーダンとの協力を継続していく所存であると述べ、電力系統や鉄道といった共同開発計画の実施加速に向けて促進し、両国民の繁栄と発展を実現していく意向を示した。
スーダンの安定実現、スーダン国民の自由意志の具体化およびその選択に寄り添うことに貢献すべく、今後も綿密な協議を継続していくことで、両者間の合意がなされた。
会談には、エジプトのムハンマド・ザキー国防相(中将)、サーミフ・シュクリー外相、アッバース・カーミル総合諜報局局長が出席し、一対一の二国間協議会合が行われた後、拡大協議会合が実施された。
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( 翻訳者:北本芳明 )
( 記事ID:46850 )