エジプト:コプト教総主教は宗教と政治の混同は宗教を破壊し政治を汚すと主張
2019年06月03日付 al-Quds al-Arabi 紙
■エジプトのコプト教総主教:宗教は卵に、政治は石にたとえられる、そして両者を混ぜ合わせることは、宗教を破壊し、政治を汚すことになる
【カイロ:本紙】
アレキサンドリア総主教タワドロス2世は、宗教を卵、政治を石とたとえ、両者を混ぜ合わせれば卵が割れるだろうと述べた。
これは、政治や地域情勢について語られた、中東ラジオとの長時間にわたる対談の中での発言だ。
さらにタワドロス2世は以下のように述べた。「宗教は神からもたらされ、政治は土地と人間からもたらされた。宗教を卵、政治を小石になぞらえることができるだろう。もし両者を一緒くたに置いたならば、卵は割れ、それは小石を汚すだろう。そして我々は基盤となる価値を失うだろう。」
また、以下のように続けた。「したがって、宗教と政治は完全に分けなければならない。私たちは、信仰のために教会やモスクへ行くが、一方で私は単にエジプトの地に生まれたがために権利と義務を持つエジプト国民となった。私は1919年の革命において語られたフレーズを憶えている。『宗教は神のために、国家は万人のために』というものだ。そう、宗教は主のため、国家は人のためにあるのだ。」
さらに、繰り返し語られてきたように「教会のない国は、国のない教会より良い」とコメントした。なお、このフレーズが(最初に)語られたのはエジプトの教会を狙った複数の襲撃事件の直後である。
加えて、以下のように述べた。「少しばかり過去を振り返ってみると、2013年に教会が襲撃された。私はその襲撃の7、8ヶ月前に総主教になったため、経験は乏しい一方で責任は大きなものだった。しかし、襲撃が起きた時点では、私はムスリムのエジプト人は誰も教会を襲わなかったと確信していた。なぜなら、どの当事者からのちょっとしたコメントが大きな問題を引き起こしかねないがために、私は途方に暮れていたからだ。」
そして、以下のように続けた。「襲撃現場は放火され破壊された。私は修道院でこれらの出来事全てを把握しており、この国に対する恐れは非常大きかった。私は自分が述べ得ることを考え、祈った。すると、私の心にシリアで起きたことが浮かんできた。そして、国がまずあって、その次に教会があるのだということが脳裏をよぎった。だから、私はこの言葉を述べたのだ。」
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:小泉真歩 )
( 記事ID:46908 )