スーダン:アメリカはスーダンをサウジとUAEに「プレゼント」した
2019年06月05日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ドイツ人専門家:トランプ大統領はスーダンをサウジアラビアとアラブ首長国連邦にプレゼントとして差し出した
【ロンドン:本紙】
スーダン情勢のドイツ人専門家のトビヤス・シモン氏は、アメリカが湾岸諸国にスーダンで現在起こっている紛争において、役割を果たすことを許可したことに関し、懸念を示した。
彼はまた、DWチャンネルアラビア語版への発言の中で、「ドナルド・トランプ米大統領はおそらく協力の見返りとして、プレゼントとして湾岸諸国がスーダンで役割を果たすことを与えた。さらに、湾岸諸国が軍事評議会を支援することを許可した。これは憂慮すべきことである。」
シモン氏は、以下のように締めくくった。「アメリカが湾岸諸国に、スーダンの軍事評議会の支援を認めたことは懸念すべきである。というのも、湾岸諸国は人権を守らず、むしろ侵害しているからだ。」
彼はスーダン情勢へのヨーロッパの関心について、以下のようにコメントした。「スーダンの紛争に関して、国際社会は存在感を示していない。」また、軍総司令部の前での座り込みを治安部隊が鎮圧したことについてのドイツとイギリス両国の非難声明を、「表面的で深みのないコメントだ」と論評した。シモン氏はドイツとイギリスの非難が表面的なものになっている理由を、両国が最近のヨーロッパ議会選挙の影響への対処に忙殺されていることに帰した。
シモン氏は、ヨーロッパやアメリカにとってスーダンは重要であると改めて明言した上で、スーダンで起きていることと両者の関与は避けられなくなるだろうと述べた。「スーダンの現状に目を向ける際、私たちは自らを欺くべきではない。EUの安定はスーダンの安定次第であり、これはアフリカからヨーロッパへの移民を阻止するために必要である。同様に、アメリカはスーダンの人権の現状を批判しているにも関わらず、テロとの戦いにおいて長年にわたり、協力している。」
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( 翻訳者:秋野晴香、中村観月、野口藍良、糸山沙也香 )
( 記事ID:46914 )