シリア:停戦合意の一方で、反体制派はラタキア県にあるシリア政府の司令部を爆破
2019年06月13日付 al-Quds al-Arabi 紙

■安全保障に関する会議の一方で、反体制派はラタキア県郊外にあるシリア政府の指令部を爆破

【本紙:アンタキヤ、ダマスカス】

昨日(12日)、ハマーやその周辺地域ではシリアの反体制派部隊によって受けた被害の影響が残る中で、シリア政府やロシア当局が提案した一方的な停戦について協議が行われた。一方で、ロシアのウラジミール・プーチン大統領付きのドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアとトルコの間で既に3日間の停戦について合意がなされ、この期間は停戦が実施されると語った。さらに同大統領報道官は、「この2日間で、シリアの将来に関してトルコ側との会談が行われるだろう」と付言した。

同時に、シリアの反体制派に属し特別任務を担う「アブー・イマーラ大隊」は昨日、ラタキア県郊外にあるシリア政府の軍事施設を爆破した。これは「イッザ軍司令官であった故アブドゥルバースィト・サールートの仇討ち作戦」と名付けられた作戦の一環として行われたもので、爆発はラタキア県郊外のサルマー地区にある第99砲撃連隊の拠点で発生した。なお、同地区はロシア軍やシリア政府にとって安全保障上最も重要な拠点の一つと見なされている。

他方で、シリア・アラブ通信社(SANA)は、「イスラエルが昨日明朝に(シリア・イスラエル)両国の国境地帯が見渡せるシリアの戦略的要衝である丘にミサイル攻撃を仕掛けた」と報じた。またイスラエルメディアは、ヒズブッラーがハッラ丘に監視所を設置したと見られると言及した。そして、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は昨日水曜日に行った演説にて、「我々は事前に敵の戦力を削いでいる」と述べた。これは、おそらくシリアにける今回のような作戦を示唆しての発言である。

一方、シリア人権監視団は、ミサイルはレバノンのヒズブッラーの2つの拠点を狙うも、犠牲者は出なかったと推定される、と明らかにした。同監視団のラーミー・アブドゥ・ラフマン代表はAFP通信に対して、「爆撃された拠点にはレバノンのヒズブッラーがいた」と述べ、「ミサイルは南部のダルアー県内の戦略的要衝であるハッラ丘に着弾した」と続けた。なお、その場所にはヒズブッラーがレーダーを設置しており、彼らは防空迎撃システムを所有しているという。また、爆撃はクネイトラのレバノン人戦闘員らの兵舎を狙ったものであった。なお、クネイトラは、(シリア・イスラエル)両国にまたがるゴラン高原の非武装地帯のうちシリアが支配する地域であり、(現在は)無人の町となっている。

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( 翻訳者:馬場響 )
( 記事ID:46967 )