イラク:教育状況の崩壊とその原因
2019年06月14日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ニーナワー:初等教育課程における合格者の割合低下により同県における教育状況の悪化が明らかに
【モースル:本紙】
ニーナワー県で初等教育課程の試験が行われた。その合格率は40%を切った一方で不合格の確率は60%に及び、この結果は深刻な兆候を与えている。そのことは、無知や非識字が蔓延すると警鐘を鳴らすものとなっている。また、学識者や専門家はイラク全体、特にニーナワーにおける教育の混迷の背景にある理由を本紙に指摘した。その理由の中で最も重要なのは、運営上の失敗や、教育分野が専門の管理職員の任命が行われなかったこと、そして教育関連の職員の不足である。
これらの専門家によると、教育状況悪化の理由のとして、「カリキュラムの継続的な変更が教育の停滞をもたらしたこと、さらに「イスラーム国」の数年間にわたる同県への支配や、同組織の占領下に残っていた学生らを対象とした進級決定」がある。
アフマド・アブドッラー教授は、本紙に以下のように語った。「一部の教育分野の現職職員の存在により、特にニーナワー県では、教育状態がこれまでの数年同様に悪いだろう」。
同教授の説明は以下の通りである。「これまでの期間を通じて教育カリキュラムは継続的に変更され、非常に難しいものだった。カリキュラムは生徒の理解や習熟の水準に釣り合っていない。さらには教師らが教材の理解に苦しむようになるほどだった」。
同教授はさらに、「『イスラーム国』制圧下にいた生徒らを対象にした進級の決定は、即席で、よく検討されていないものだった。その進級において、生徒に試験が行われることなく、彼らが進級の要件を満たしていたか否か知ることはなかった。」と付け加えた。
彼は、「この街の教育の現状を向上させるために、教育関連の諸部局はその運営や内部の編制を根本的に変えることが求められている。また、教育分野の専門家の任命を必要としている。」と考えている。
(後略)
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( 翻訳者:本多香奈、當麻舞美、田中美羽 )
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