エルドアン大統領、日本でフェトフッラーテロ組織に関し警告
2019年07月01日付 Hurriyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、名古屋文理大学の文化フォーラムで「トルコ社会との出会いプログラム」に参加した。

エルドアン大統領はここで行った演説で「あなた方のような価値のある兄弟とこのような意味のある出会いを実現でき、どれほど幸せであるか言葉では言い表せない。 私たちの将来の希望、愛すべき若者たちの目の前にしている。淑女、紳士とともにあなた達がこのように一堂に会し、とても幸せに思っている」と話した。

この出会いに参加できなかった日本にいるトルコ国民にもメッセージを送ったエルドアン大統領は、「あなた方に8200万人のトルコ国民のメッセージを持ってきた。あなたたちに皆さんの家族、親戚、同郷の仲間からの温かな挨拶を持ってきた」と述べた。

ここでの出会いに人々に感謝を伝えたエルドアン大統領は、ナジップ・ファーズル・クサキュレキの「山を巡る時にランプを灯すな/ 生気のない我が瞳を悲しむな、異境の地/ 何も語らない、流水の調べ/ 静寂の中で猛るな、異境の地/ バラを育てた人々に独特の心の昂りで/ 様々な苦しみを我が目で育め/ ただ母の様にあの温かい声で/ 我が心の中で悲しみ嘆くな、異境の地」という詩を引用して、次のように言葉を続けた。

「母国から何千キロも離れた異国の地を我が家に変えた全ての兄弟にここから挨拶したい。まず、次のことを再びあなたたちに思い出させたい。国外で生活しているトルコ国民は単なる異境の者ではない。トルコ国民の国外の力であり、大使であり、代表者である。トルコ共和国は、いつでもどこでもあなたたちの傍らにあって、国外のトルコ国民とその子孫の利益を守ることを、常に優先事項にしている。」

自分より前に日本の首長たちが行った演説で「あなたがたが困った時は、私たちは寄り添う」と話したのを引用したエルドアン大統領は、「あなた方が困った時はあなた方に協力する首長たちもいる。止まらずに自分の道を進みなさい」と述べた。

国民にあらゆる分野で必要だと思われる行政サービスを質高く、最早の形で提供できるよう努めると強調したエルドアン大統領は、「私たちの子供たちや若者たち が、自分達の信仰、文化、習慣、伝統に沿った形で成長すると同時に、日本社会へ適合することも特に薦める。さらに、トルコ語とともに日本語もとてもよく勉強することがここでの成功につながる」と話した。

子供たちがトルコとトルコ国民の価値から遠ざからないよう、政府として自分達にできることをすべて行うとし、次に様に話した。

「私たちは、大使館、東京宗務財団、ユヌス・エムレ文化センターによって様々な文化活動を行っている。名古屋のトルコ人の子供たちがトルコ語とトルコの価値観をさらによく学ぶために、教育財団がここに先生を派遣した。外務大臣は昨年の11月にあなたたちと一堂に会してあなたたちの要求と希望を聞いた。この中で東京のトルコ大使館によって現在名古屋で月に一度の派遣領事館サービスを行い始めた。」

エルドアン大統領は、エルトゥールル号の慰霊碑にトルコ文化センターとモスクを建設するためトルコ国民が行った貢献へ喜びを感じたと伝え、次のように語った。

「世界中のトルコ国民が暮らしている国の経済に貢献していることを誇りに思っている。ここでの法律に敬意を払い日本社会に適合し平等な権利を持つ個人として快適な暮らしを続けるために、あなた方にあらゆる支援を行う準備がある。このため日本の関係各位と協力体制もある。あなた方皆がトルコのイメージをよくするために貢献する活動を行い、日本でトルコ人とトルコを最善の形で代表していると信じている。」

■フェトフッラー派テロ組織は、ネガティブ・キャンペーンを行っている

フェトフッラー派テロ組織の日本での活動に関して語ったエルドアン大統領は、「日本でフェトフッラー派テロ組織の学校、市民団体、個人がいまだに活動を続けている。[2016年]7月15日の夜、251人の国民を裏切りによって死なせたこの組織が国外でトルコに向けたネゲティブ・キャンペーンを行っている」と話した。

エルドアンは、この組織が40年間、「奉仕、奉仕」と言って国民から集めたものを、顔も赤らめずに、全く恥じ入ることもなく、ここ4年間、国民の利益に反して使っていると述べて、「目に強欲と怨恨と憎悪を包んだフェトフッラー派によるトルコの尊厳を害する行為を許すわけにはいかない。血に汚れたこのテロ組織との闘いに対してあなたたちの支持を期待している。PKK(クルディスタン労働者党:非合法)であろうと革命人民解放戦線(DHKP-C)であろうとフェトフッラー派であろうと違いはない」と述べた。

■名古屋で領事館を開く

協力と協調が全ての成功の鍵であると強調したエルドアン大統領は、次のように述べた。

「現在、あなた方の中に存在しているこうした構図を広めないでいただきたい。このため、私たちは『一つの国民、一つの国旗、一つの祖国、一つの国家』と言っている。一つになり、巨大になり、生き生きとし、兄弟となり、皆がトルコになろう。これは妥協できない。協力して振る舞う中で、乗り越えられないいかなる困難もない。あなた方も協力、協調して振舞い、今日まで同様に今後もあらゆる困難に打ち勝つことができる。」

必要ならば日本の関係各位にあなた方の声を伝えるために協調しなければならない。この点で、名古屋に領事館を開設すれば。[この件でここで]票議を行ってみよう、開設に賛成する人々を見てみよう。外務大臣もここにおり、全会一致で受け入れられた。日本の関係各位もこのような要求に「いいえ」と言うとは思えない。私たちは、彼らが「はい」と言うような全ての手段を講じ領事館を開きたいと望んでいる。愛知県知事と市長もここにいる。用地買収への彼らの支援によって、一刻も早く場所を選定し、領事館活動をそこで行う。」

■日本との社会保険協定は交渉中

エルドアン大統領は、日本の人口が日に日に高齢化しているとし、四月に成立した法改正により、外国人労働者に門戸が開かれたことに触れた。

大統領は、トルコとして熟練した若者達を送って日本に貢献できるものと考えているとし、この件で関係者と交渉を続けていると強調した。

また、「日本に滞在するトルコ国民の労働期間をトルコでの年金給付に勘案するため、日本と社会保険協定を交渉中である。この交渉が近いうちに実を結ぶよう目指している」と明らかにした。

■大阪関西国際空港からイスタンブルへ直行便

エルドアン大統領は、朗報を伝えたいとし、こう続けた。

「国旗を帯び、国の誇りであるトルコ航空は、来年4月から大阪関西国際空港からイスタンブルへ就航を始める。こうして再び我が国へ直行便が飛ぶことになる。おめでとう。トルコは、特にここ17年での飛躍で、民主主義から経済まであらゆる分野で、あたかも時代を飛び越えて、最先端の国々に仲間入りした。」

トルコが教育分野で投資を行ったことに関し情報を伝え、初等・中等教育の教科書が無償化したことに触れた。

また、大学、研究者の数が増加したと強調し、次のように続けた。

「あたかも革命を行った。トルコ教育財団は269の学校、35の学生寮、2つの大学、5千人の職員を国外に送って我が国の成功を体現している。今日世界の160を越える諸国から数万人の学生が、高等教育を受けるために我が国を、トルコの大学を選んでいる。こうして訪れる学生の中には日本人もおり、誇りに思っている。この先こうした学生が祖国に戻った際に、医師、技師、実業家、政治家、研究者、外交官としてトルコと日本との間の心の架け橋を一層強化するものとなろう。」

エルドアン大統領は、健康部門での投資に関して、技術装備品、機器、職員、救急車、病院の数を伝えた。

大統領はこの分野は全く変わったとし、「健康部門は、我々が行った革命のもうひとつの分野である。「都市病院」を設けて健康サービスの水準を一層押し上げた」と語った。

トルコをあらゆる分野で発展させ、拡大させ、前進させたとし、次のように続けた。

「今現在、観光業でとても重要な飛躍がある。神のおかげで、今年は5100万人の旅行者が訪れることになろう。もちろん望んでいるのは、日本の観光客が100万人に増加することだ。たとえ日本の観光客が100万に上ろうとも、これに飽き足りることはない。だが皆さんはこうする使命を帯びている。日本の観光客を皆さんが率いてトルコに来るように。我が国はこれほど素晴らしい所なのだから。とはいえ名古屋と大阪間も本当に世界的にも有名であるかのようだ。周りすべてが緑に包まれている。ここは本当に全く異なる国で、生き生きとしていて、興奮に満ちた国である。ここでG20サミットに参加した。我が国がG20に加わったのは、少し前に語ったあらゆる発展の成果である。しかし我々はこれを十分とはしない。2023年への目標は、トルコを経済分野でのトップ10からナンバーワンに押し上げることだ。この目標にも達するものと思いたい。」

■我が国民に一層の支援を望む

エルドアン大統領は、トルコが強力になるにつれ、直面する出来事や攻撃も増していると語った。

「古の者達の『高い山には厳しい冬がある』との言い伝えのように、我々が至った場所では、我が国にも時折厳しい風が吹きうる」として、次のように語った。

「ここの所、我が地域および世界で大きな変化があり、根本的な再編成の時期に直面している。トルコもまさに中心となって経験している過程の中から、単に無傷でではなく、最大限利益を引き出して脱するよう努めている。国内外で国民から受けた大きな支援のおかげで今日の立場にいる。今現在経験している危機の時代にあって、我が国民や友人のさらなる強力な支援を欲している。」

大統領は、国外に暮らす同胞が、トルコで生じていることをより一層正しく評価できるものと信じているとし、「皆さんの支援をより重要と感じている。皆さんがこの地を背景にしっかり止まるにつれ、我々もトルコで信頼、決意、勇気をもって、努める事になろう。こうして皆で我が国を正当な場所へ引き上げることになると信じている」と表現した。

また、日本との親密さ、友好が根本的であり、深く、穏当なものであるとし、今日この心の交流が続いていることを幸せに思うと語った。

「[オスマン朝の]アブデュルハミド・ハーンの時代に生じたエルトゥールル号事件を、その現場で日本の親友達が示した援助、尽力、無私の奉仕を皆が知っている。しかし、ここで皆さんが知らない興味深い出来事を披露したい。」

エルドアン大統領は、第一次世界大戦中に生じた「平明丸」という日本の船の事件に触れた。

大統領は、明日濃密なスケジュールを過ごすとし、トルコと日本間の今の相互協力を将来にもこれを理由に続けることになろうと付け加えた。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:47076 )