エジプト:『エコノミスト』誌はスィースィーを批判
2019年07月07日付 al-Quds al-Arabi 紙


■スィースィー大統領:44年後の東アフリカ

【ロンドン:本紙】

エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領は、「『アジェンダ2063』は、東アフリカの将来、すなわち44年後の未来について掲げている」と述べた。

同大統領は、ニジェールの首都ニアメで開催されたアフリカ特別首脳会談の開会式でのスピーチで、「アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)設立協定が発効することは大きな業績であり、我々はこれを祝福する」と述べた。また、アフリカ連合(AU)の全加盟国に対し、同協定に署名および批准を完了するよう呼びかけた。

英国の『エコノミスト』誌は、「スィースィー大統領は、エジプトの安全保障と統一を維持するのに相応しい人物ではない」と強調した。

また、「我々は、東アフリカの将来を掲げるアジェンダ2063を実行するための道のりは、まだ長いということを認識しなければならない」と付け加えた。さらに、「アフリカ諸国の経済統合は、多大な努力を要する」と注意を向けた。

その一方で『エコノミスト』誌は、スィースィー政権下でのエジプトの崩壊の結果および、同国が混沌に陥ることで生じる中東および世界全体への影響に関する報告書を発表した。

そして、同誌は、「スィースィー大統領は2015年に、『エジプトが崩壊すれば、世界に『イスラーム国』の戦闘員の大群がかつてなく流入することになるだろう』と予見していた」と述べた。このような言辞は、スィースィーが国家元首に居続けるための戦略の一つである。そうした戦略は基本的に、エジプト国内での抑圧と、諸外国の指導者に対する、スィースィー政権による政治的支援が行われないことの影響と、その結果としてエジプトが混沌の餌食となることへの警告を主軸としている。

また、同誌は、「この戦略は結実した。すなわち、湾岸諸国はスィースィー政権に資金供与を行っている。これは、ムスリム同胞団が代わりに政権を率いることを恐れているためだ。とりわけ、ムスリム同胞団が2011年と2012年の選挙で勝利し、スィースィーが2013年に彼らを追放するまで、エジプトを無能な手法で支配したことを受けて、湾岸諸国は同胞団の政権を懸念している」と指摘した。

さらに、同誌は、「シリアやリビアから引き出された教訓から、エジプトの崩壊を容認してはならない。しかし、スィースィーがエジプトの安全保障と統一を維持するに相応しい人物でないことは明白であるように見受けられる」と伝えた。

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( 翻訳者:藤木郁理 )
( 記事ID:47111 )