イスラエル・パレスチナ:ネタニヤフ首相によるヨルダン渓谷併合計画…PNCは承認撤回を要求し、抵抗勢力は武器に訴えると示唆
2019年09月11日付 al-Quds al-Arabi紙


■ヨルダン渓谷を併合するネタニヤフ首相の計画…民族評議会は承認撤回を要求し、抵抗勢力は武器に訴えると示唆する

【ガザ、ラマッラ―:本紙】

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の計画に対してパレスチナの非難が相次いだ。この計画のなかで、ネタニヤフ首相が、再任されたらヨルダン渓谷を併合する意向を発表したためだ。パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、イスラエルがこうした措置に敢えて踏み切るのであれば、同国と署名したすべての協定を停止すると威嚇すると、パレスチナ民族評議会(PNC)は、イスラエル「承認を即ちに撤回」するよう要求、抵抗諸派はネタニヤフ首相を「牽制」するために介入すると威嚇した。

PNCは、ヨルダン渓谷と死海北部、ヨルダン川西岸の複数の入植地を併合するとのネタニヤフ首相の声明が、イスラエル承認の撤回と同国とのあらゆる協定の停止に値すると述べた。PNCは、次の国連総会に向かって、パレスチナ領土画定と帰還権に関する(国連決議)第181号及び第194号などの諸決議をいまだ順守しないイスラエルの国連加盟資格を再検討するよう訴えた。

PNCはネタニヤフ首相の発表を「国際社会及び諸機関の意思、そしてパレスチナ問題に関する諸決議へのあからさまな軽視、侮蔑、挑発」とみなした。また、ネタニヤフ首相が自らの計画を実施するにあたって、いわゆる世紀の取引の一環として米国からの直接の支持と援助を頼りにしており、それがパレスチナの権利だけでなく、地域全体の安全と安定にとっても大きな脅威となしていると指摘した。

PNCは、ネタニヤフ首相の発表が彼(自身)の選挙戦のなかで行われたものだと名言、「過激派や入植者らからさらなる票を得ようとして、侵略、拡張、入植に依拠している」と述べた。また、発表について「エルサレムを含むパレスチナ国家の領土内におけるあらゆる形態でのイスラエルの入植は違法かつ不当であるとする2012年に国連総会で承認事項を変更するものではなく、入植地を占領する権利も生じ得ないだろう」と述べた。

パレスチナ外務省は、ネタニヤフ首相がヨルダン渓谷問題の「悲運を決する存在」と描写したうえで、彼の公約が「追跡中の汚職事件で投獄されることを恐れて」権力の座に居座ろうとする彼の命賭けの奮闘の一環として行われたと述べた。また、声明のなかで「ネタニヤフ首相は、今回も選挙戦で他のカードではなくパレスチナのカードを選んだ」とも述べ、この公約に対するアラブ側の反応が「織り込み済みだった」と指摘した。そして、「以前と同様の状況のように、イスラエルに対する制裁を課す」と主張する必要があると強調した。

一方、パレスチナの抵抗諸派は、パレスチナの領土と聖地がイスラエルの「選挙バザー」の一部となっていることは認められないと主張し、ヨルダン川西岸の一部を併合し「世紀の取引」を実行するというネタニヤフ首相の発表はパレスチナ領土に対するイスラエルのさらなる侵略を意味すると指摘した。

抵抗諸派は声明のなで、一連の声明について「ナークーラ岬(ロッシュ・ハニクラ)からウンム・ラシュラーシュ(エイラト)にいたるパレスチナ全土がパレスチナ・アラブ・イスラームの領土であるとの歴史的事実は決して変わることはなく、我々はその完全解放を手にするまであらゆる手段でこれを守るだろう」と述べた。その一方で、ネタニヤフ首相の発表が「不運なオスロ合意」の26周年記念と同時期に発表されたとしたうえで、「占領者に罪の正当性を付与したこの恥ずべき合意からの実質解き放たれる」必要であると主張した。

抵抗諸派はアッバース大統領にヨルダン川西岸で抵抗勢力を解き放し、(イスラエルとの)治安連携を破棄するよう呼びかけ、ヨルダン川西岸とエルサレムの住民に「野蛮な敵シオニストたちに対峙し、占領された我々の土地を炎上させる」よう求めた。また、声明のなかで「パレスチナ自治政府(PA)の治安機関の銃弾が占領者将兵の胸に向けて放たれればよい」と述べた。

さらに諸派は、占領者との対決において力を発揮してきた抵抗勢力が「今なお現場におり、シオニストの高慢な姿勢を牽制するための多くの戦術を有している」と強調、占領者への抵抗とその駆逐を支援する包括的な愛国的戦略を採用する実践的な姿勢を求めた。

マフムード・アッバース大統領が率いるファタハは、ヨルダン川西岸におけるパレスチナ国家の領土に(イスラエルが)主権を行使したり、併合したりしようとするネタニヤフ首相のいかなる試みにも警鐘を鳴らし、ファタハとパレスチナ人民が「ネタニヤフと人種差別的な右翼政府の意志にも諸決定にも従わない」と述べた。また、この一連の決定に抵抗し、これを頓挫させると誓ったうえで、パレスチナの領土は「イスラエルの選挙取引所におけるカードではない」と強調した。さらに国際社会に対しては、責任をもってネタニヤフ首相の野望への対処するよう呼びかけた。

一方、ハマースのファウズィー・バルフーム報道官は、ネタニヤフ首相の一連の発言が「事実を変えることもなければ、占領およびそれにかかわる諸計画にあらゆるかたちで対抗しようとする高揚する我々の人民の抵抗を止めることはないだろう」と述べ、こうした発言が米政権の後押しを受け「我々人民、領土、能力に対する侵略政策を継続させるべく」行われていると述べた。報道官はさまざまな闘争や抵抗を継続するという選択に力点を置いた愛国的戦略に早急に基づくといった「実践的な措置」と、PAが「治安連携」政策を停止する必要があると指摘した。

イスラーム聖戦機構は、ネタニヤフ首相が実行するこの一連の政策が「ナクバやイスラエル政体 建設に代表されるもっとも憎むべき過ちに対する世界の沈黙の産物」となっていると述べ、パレスチナ人民が再び強制移住(トランスファー)を余儀なくされることは認められず、あらゆる無益な政策に抵抗し続けると強調した。また抵抗は「不意に出現したこの政体と我々の関係を決定づける表現手段であり続ける」と指摘した。

ネタニヤフ首相は火曜日(9月10日)、来週再選されれば、ヨルダン川西岸東部にあるヨルダン渓谷と死海北部に「イスラエルの主権」下に置くと発表した。またその場合、軍がヨルダン渓谷全域に駐留することになり、同地域における入植活動強化のための大規模な計画が策定されるのは当然だと述べた。

ネタニヤフ首相はまた、米政府と協力し、ヨルダン川西岸の多くの入植地にイスラエルの主権下に置きたいと強調した。

一方、欧州連合(EU)はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が来週の選挙で勝利した場合にヨルダン川西岸の被占領地を併合すると公約したことが、「地域における平和の機会を損なう」と警告したという。

EU報道官は報道機関に向けた声明のなかで、「東エルサレムを含む(占領地での)入植地の建設と拡大の政策は国際法の下では違法であり、その継続、そしてその一環として講じられる措置は二国間解決の可能性や恒久的な平和の機会を損なう」と述べた。

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(翻訳者:メディア翻訳アラビア語班)
(記事ID:47519)