トルコ中央銀行の金融政策委員会は、1週間を期限とするレポ取引の利息率(主要政策金利)を3.25ポイント下げ、19.75%から16.5%とした。
トルコ共和国中央銀行(TCMB)は利息率に関する会見を行い、ムラト・ウイサル総裁主宰で招集された金融政策委員会(PPK)において、主要政策金利が19.75%から16.5%に引き下げられることに決まったと発表した。
会見では、最新のデータによると、経済活動の場で穏やかな回復傾向が続いていることが明らかにされた。
また、上半期には純輸出が経済成長に寄与し続けたこと、投資が縮小傾向を維持していること、そして個人消費がだんだんと影響力を増していることが示され、以下のように述べられた。
「世界的な経済成長の縮小に対し、競争力が発展した影響で財・サービスの輸出は増加傾向を維持しており、特に観光業における強力な流れは、直接的に、あるいは関連部門を介して、経済活動を支えている。先行指標によれば、経済活動における各部門の拡大は一定量進んでいる。来期は、純輸出が経済成長を促進しつづけ、インフレーション沈静の傾向や金融的な状況の改善、および漸次的な経済の回復が続くと予想されている。経済成長の構図は対外均衡にポジティブな影響を与えている。経常収支バランス改善の傾向が続くと見込まれている。」
■「インフレーション展望の改善が続いている」
会見では、近々経済活動が世界的に衰え、インフレーションについてマイナスなリスクが顕在化することにより、先進諸国の中央銀行の金融政策は、拡大する形で方向づけられていくと述べられた。
また、こうした状況が発展途上国の金融的な資産に対する需要とリスク志向を支えており、保護貿易主義的な措置や、世界的な経済政策に関する他の不確定要素が、資本の流れや対外貿易を通じて与えるであろう影響を追究していくと述べられた。
インフレーション展望の改善が続き、トルコリラの安定した動きに加えて、インフレーション予想の好転や適度な国内需要の状態が、コアインフレ率の指標の下落を決定づけていることが明らかにされた。
会見では、8月に消費者物価インフレ率が基本製品・エネルギー・食品といったグループの影響により顕著な下落を示したことについて触れられ、次のように述べられた。
「国内需要の増加と金融引き締めのレベルが、インフレーションの下落を促している。インフレーションの主要な傾向についての指標は、供給に関わる要素や輸入価格のインフレーション展望に良い影響を与えている。こうした展開に関連して、最新の推定では、年末の時点でインフレーションが7月のインフレーション報告レポートに示された予測をある程度下回るだろうとされている。こうした中で金融政策委員会は、インフレーション展望に影響を与えている全ての要素を注視しつつ、主要政策金利を3.25ポイント引き下げることを決定した。現時点において、現在の金融政策の方針が、目標としているディスインフレーションという方針と大きく一致していると判断された。
当委員会は、インフレーションの下落が続くことは、国家のリスクプレミアムが下がる、長期間の利息率が下がる、経済の回復力が増すといった点から、とても重要であると考えている。インフレーションの下落が目標とする方針に適った形で実現するためには、金融政策において慎重な姿勢を取り続ける必要がある。こうした中、金融引き締めのレベルは、主要な傾向に関する指標に注目しつつ、インフレーションの下落を継続させるように決定される予定だ。中央銀行は、価格の安定と金融的な安定という目的のもと、持てるすべての手段を使いつづけていく。様々なデータや情報が新たに明らかになることで、当委員会は未来に向けて政治方針を変革する可能性があるということを、特に強調しておかなければならない。」
金融政策委員会会議の概要は、5営業日以内に公開される予定だ。
■ドル急下落
会見前は5.75だったドル・トルコリラのレートは、会見後に5.65となった。
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( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:47524 )