住宅が地震で被害を受けるリスクに備えて作られたDASK（自然災害保険機構）への年間の掛け金はいくらなのか。被害状況に対する保険金はいくらもらえるのか。物品は保険の適用範囲内なのか。賃貸利用者でもDASKに申し込めるのか。被保険者でない人でも電気や水道を利用することはできるのだろうか。

■DASKに関するよくある20の質問

先週イスタンブルで発生したM5.8の地震は、国民にZDS（強制地震保険）をまたも思い出させた。DASKのもとで設立されたZDSは、現時点で200億リラの損害保険金の支払い能力がある。

現在920万軒の住宅がZDSに加入している。DASKの引受限度額は9月7日以降すべての建物において21万5千リラと定められた。1999年以降現在までに、トルコで保険加入率は53%に達したが、ゴールは100%に達することである。
DASKは、設立からこれまでに起きた地震で小・中・大規模の被害を受け、ZDK保険契約を有する住宅に対して、2億リラ近い保険金が支払われたと発表した。

DASKからZDSに関する情報は、ALO125ダイヤルや、インターネットサイトで得ることができる。ZDSに関するよくある20の質問を以下に紹介する。

1. DASK加入は義務か？
2012年8月12日に施行された災害保険法により、住宅ローンと登記手続き、水道電気契約に加え、強制地震保険（ZDS）への加入が必須条件となった。DASK未加入者は、公的住宅ローンの利用と、地震による建物損傷への支援を受けることができないと法によって定められている。

2. DASKの保険料はいくら？
ZDSでは5つのリスク地域、3つの建築構造によって保険料が15通りに分けられる。年間保険料は、イスタンブルでは100㎡の住宅に対して骨組式は100リラから239リラ、組積式は199リラか
ら294リラ、その他の建築構造は77リラから210リラである。
その他の県では、保険料は5つのリスク地域に分けられ、40リラから289リラの間で設定されている。
地震による被害が起きた場合は、最大21万5千リラが支払われる。

3. なぜ保険料が異なるのか？
毎年更新される契約の保険料の額は、住宅の構造や面積、その地方の地震の危険性によって計算される。

4.　損害額はどのように支払われるのか？
DASKはZDSにより、地震と地震の結果起きた物理的損害を、保険証券に明記された限度内で、現金で保障する。住宅が完全に、あるいは一部が破損した場合も保険の対象になる。

5. 被害を受けた場合、最大いくら支払われる？
DASKは毎年の建設費の上昇によって定める最大支払額を保証している。DASKから支払われる最大補償金額は9月7日以降、すべての構造の住宅に対して21万5千リラと定められた。最大補償金を設定する際は、倒壊した住宅の再建費が視野に入れられている。

6. 補償金額はどのように計算されているの？
被害の確認手続きは、DASKが委任した独立した被害状況の確認者によって行われる。確認の結果決められた補償金はDASKから直接支払われる。補償金の算出では、地震が発生した場所と日の市場相場に依拠した最新の建設費がベースとされる。しかし、補償金が保険金額を超えることはあり得ない。ZDSの目的は、最小額の標準保険を提供することであり、被害がある毎に、保険金額の2%引き下げが適用される。
逸失利益や逸失家賃の補償金は支払われない。

7. 被害はどこに申し出ればいい？
　住宅が地震による被害を受け、ZDSに加入している国民が、被害から最短で立ち直るためには、DASKのコールセンター125やインターネットサイト、あるいはDASKの代理でZDS契約を結ぶ保険会社やその代理店に連絡するだけで良い。被害状況の確認手続きが確定した後、清算書が被害のあった地方の銀行支部へ送られる。これらの銀行間で契約番号とシリアルナンバーの照合が行われ、補償金が被保険者へ送金される。補償金の支払いは、可能な限り最短期間で、平均して１ヶ月以内で行われる。被害状況の確認が何らかの技術的理由で伸びる場合においても、被害を受けた被保険者に事前支払いが行われる。

8. DASKを超える被害だと、どうなるの？
発生した被害がDASKの補償内容より大きければ、その時点で住宅保険まで枠を広げ、まかないきれない分をカバーする。この点で、DASKに加えて住宅保険を契約する利点がある。

9. 補償の対象外となる被害はどんなものがある？
瓦礫処理費用、逸失利益と逸失家賃、仕事の一時停止、家賃、あらゆる動産とそれに類似するものは対象外であり、これらへ補償金は支払われない。
死亡を含めた身体傷害と精神的苦痛の補償要求は、ZDSの補償対象外である。
公的機関に属する建物や、村の居住地域に建設された建物、オフィス、建設途中の建物、1999年12月27日以降に住居用として建築されたが建築許可を得ていない独立スペースと建物、登記がなく公有地に建てられた建物もZDSの補償対象外である。

10. 保険加入率とは何か？
トルコにおいて920万の住宅がDASKに加入している。地方別にみると以下のようである：
マルマラ地方63%、エーゲ地方53%、アナトリア内陸部48%、地中海地方45%、黒海地方45%、アナトリア東部38%、アナトリア南東部38%

11. DASKの有効期間は？
ZDSの有効期間は1年間である。保険契約は毎年契約期間が終了する前に更新しなければならない。

12. 共用スペースは保険の対象内か？
建物の共用スペースはZDSの対象内ではない。

13.　ガレージや地下室にZDSはかけられる？
これらの場所にZDSはかけられる。登録時に住居の一部と申請していれば、地下やガレージの面積を住宅面積に加えて契約が行われる。もしも、ガレージや地下が別途登記されていれば、契約も別々に交わさなければならない。

14. 賃借者もDASKに加入できるか？
ZDSでは賃借者が自身の名前で契約を行うことはできない。賃借者は、ZDSを「保険契約させた者」として、家主の名前で契約できる。どんな状況でも補償金は、登記上の「権利者」として明記されている者に支払われる。

15. DASKは解約できる？
ZDSは強制契約であり解約はできない。

16. 割引は適用されるか
建物の管理者によって、全居室が保険に掛けられた場合は、定価から20%の値引きが適用される。さらに、有効期限が切れてから30日以内に更新された契約には、契約期間が1-3年までの契約には10%、3年目以降は20%の値引きが適用される。

17. 住宅ローンの利用に地震保険は必須か？
住宅ローンを利用するには地震保険が必須条件である。ローン期間内に被保険者によって更新されない場合、銀行から被保険者に連絡が行き、契約を更新しなければならない。

18. 被害を受けた場合、どのような書類が必要か？
被害が発生した場合、被保険者の身分証明書のコピーと最新の権利証所をDASKに提示する。

19. 地権者が2人以上いる場合
被害を受けた地所の地権者が2人以上いる場合は、登記または相続書に名前のある権利者の相続割合に沿って補償金が支払われる。

20. どのような建物がZDSの範囲外か？
・公的組織や機関に属する建物
・村の居住地域に建設された建物
・商業や産業目的で使用されている建物
・建設途中の建物
・権利証が登録されておらず私有地でない土地に建設された建物
・住居に適しておらず、手入れされずに荒廃した建物

Tweet

この記事の原文はこちら

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:西山みなみ ）
（ 記事ID:47678 )