シリア:映画関係者たちがシリアの被災地での映画撮影を批難
2019年10月12日付 al-Quds al-Arabi 紙

■被災し移住を強制されたシリアの町を撮影場所として利用することを映画製作者たちが批難

【ベイルート:本紙】

複数のシリア人映画関係者が声明を発表し、その中で「シリアの被災し破壊されて住人が移住を強制された市や町の家屋や地区を、シリア当局の承諾のもとで映画の撮影現場として使う事象が増えている」と非難した。

声明は以下の様に続いた。「これらの被災した場所にその場所を支配する軍事勢力からの許可を受け、幅広い映画プロジェクトの関係者が次から次へとやって来る事態は一向に収まらない。映画プロジェクトの撮影チームはそうしたシリアの地域や町にカメラを持って押し入り、その場所の記憶や家の神聖さ、そこに住む人々の物語や魂、思い出を顧みない。彼らは抑圧的な『中立性』やこの殺人と強制移住すべての責任に対して行われている『沈黙』に従っている。」 

映画関係者らは、こうした映画の撮影現場に変わってしまった被災した市は、単に住宅街や学校、病院、パン屋の爆撃で描写されるようなリアルタイムの戦争犯罪現場であるだけではなく、未だ拡大し継続する進行中の人道に対する犯罪の現場であると明らかにした。そして、この人道に対する犯罪は住民の強制移住や自宅への帰還の妨害、およびそれを法的手続き通じて合法化することで行われたという。さらに、彼らはいわゆる「都市の復興と再整備事業」の文脈の中で最近上記の法制化が承認されたが、それは犯罪の痕跡を消去し、その地に新たな「現実」をすっかり押し付けてしまおうと企図していると語った。その目的は、地主や家主から財産や生活、思い出、帰還や公正の権利、ひいては市民権をも奪うことにあるという。

(後略)

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( 翻訳者:中嶋甘奈 )
( 記事ID:47795 )