スーダン:エジプト寄りからエチオピア寄りへ ルネッサンス・ダム問題で(1)
2019年10月15日付 al-Quds al-Arabi 紙


【イッザト・アブー・アウフ:本紙:ハルツーム】

スーダンの専門家たちは、グランド・エチオピアン・ルネッサンス・ダム(以下、ルネッサンス・ダム)に関するスーダン政府の立場が、エジプトからエチオピア寄りへと変化し、エチオピア政府との関係が最も良い状態になると見込んだ。

水資源関係の専門家のムアーウィヤ・ハーリド氏は、本紙のインタビューに応じ、「スーダン・エチオピア政府間の特別な関係が、エジプト側との交渉の進展に影響している」と指摘し、「追放されたウマル・バシール政権は、サウジアラビアとUAEから下される様々な命令を実行していた」と強調した。

同氏は「ルネッサンス・ダム問題は根本的・全面的に変化している」との見解を示し、「スーダンの立場が変化することで、ダム問題に対する考え方がスーダンの利益を資するものになるだろう」と明かした。

同氏は「革命勢力は、スーダンの利益に則った立場の変更を考えるだろう。ダム問題に携わっていた前政権のスーダン的思考様式は、イスラーム主義者を権力の座から引きずり下ろした革命によって取り除かれた」と述べた。また、「ルネッサンス・ダム問題において、技術者たちの知見を政治や統治から遠ざける必要性がある」と強調し、「政治的性質こそが交渉を覆っていたのだ」と述べた。

同氏は「エジプトの戦略的展望は、国外のダム建設に抵抗する構えで、エジプトに対する紛争で水が利用されるのを恐れている」との考えを示した。さらに同氏は、エジプトは大きく譲歩すると予想し、現状はエジプト政府に不利と明言した。

同氏は「ルネッサンス・ダム問題に関して、本格的な変化が起きる」と見込んでいる。そうした変化は、(スーダン)移行政府がルネッサンス・ダムのとらえ方を全面的に見直すことで生じるという。そこでスーダン政府は、他の主な当事者や交渉の非当事者の立場や考えに左右されず、自国の利益獲得に軸を置くという。

(2)に続く

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( 翻訳者:中鉢夏輝 )
( 記事ID:47860 )