オリーブ産業、危機
2019年10月20日付 Hurriyet 紙


コスト増加に加え、気候変動がオリーブ園での疫病を引きおこし、その結果品質が低下したことで、生産者と輸出業者の両方が損害を受けた。

エーゲ海地方オリーブ・オリーブオイル輸出業者協会(EZZİB) のデータによると、国内で2018年10月1日~2019年9月期のオリーブ総輸出量は、前年同時期と比べて、重量では34%増加し9万1228トン、市場価値では11%増加の1億4160万ドルに上った。一方で同時期のオリーブオイル輸出量は、重量では19.6%減少の4万9437トン、市場価値は42%減の1億3870万ドルとなった。

■単価が下落

EZZİB理事会のダヴト・エル理事長は「コストによって輸出が困難な状況になったうえに、オリーブに発生した病気で品質も落ちた。昨年トルコで生産されたオリーブオイルの80%は非食用オリーブから精製された。輸出単価も1トンあたり1000ドル相当の下落をみせている。輸出業者への支援を2倍に引き上げる必要がある」と述べた。また世界レベルでも輸出単価が3000ユーロから2000ユーロに落ち込んだと話すエル理事長は、これには2018年、スペイン一国で175万トンもの生産量があったことも影響していると述べた。

オリーブ農家および輸出業者は2019年は収穫も高品質で、新たなシーズンに期待していると明らかにした。これは、オリーブの総収穫量が2018年の143万3000トンから2019年には153万500トンに上昇するという予測に基いている。食用オリーブ生産量は2018年の38万トンから2019年は41万4085トン、オリーブオイルでは2018年の19万3000トンに対し22万2575トンに増加する見込みである。

■消費不足

生産と輸出がこうした問題に直面する一方で、オリーブおよびオリーブオイルの消費にも不安がある。欧州では一人あたりの平均オリーブオイル消費量15リットルであるのに対し、トルコでは特に経済危機による購買力不足も影響し2リットルにとどまっている。

■生産者への支援倍必要

オリーブ農家は小規模な家族農業に支えられている。ここ二年間の35~40%のコスト増加がそうした生産者にマイナスの影響を与えている点に注目する全国オリーブ・オリーブオイル会議(UZZK)理事会のウムハン・ティベト理事長は、支援を手厚くする必要があると述べた。

オリーブオイルには80クルシュ(約15円)、オリーブ果実には今回初めて15クルシュ(約2.8円)の支援が与えられることに言及した同理事長は「初めてオリーブ果実にも支援が与えられる。そのスタートは好調だが、現在のコストに見合うためには最低でもこの2倍の支援が必要だ。EU内の特にオリーブが収入源の農村部では、0.9ユーロの支援が与えられている。我々はこれをさらに『最低でも25~30クルシュ必要』だと言っている。オリーブ農業で生計を立てている郡村の農家は、コストを克服できず借金の負担に押しつぶされているからだ」と話した。

気象条件の予測不可能性が深刻な品質低下を引き起こし、それゆえ2019年の出足が不調だったと述べたティベト理事長は「(天候が)オリーブの害虫病発生の原因となった。キョルフェズ(コジャエリ)で生産された3万5千トンのオリーブオイルだけでも品質において80%に達する低下がみられた。生産農家は品質低下により深刻な損害を被っている」と話した。

■1リットルで10万トルコリラ

ムーラ県ミラスにある、樹齢およそ3000年という記念樹木から手作業で精製されるオリーブオイルは1リットルあたり10万トルコリラ(約187万3660円)から公開オークションに出され、この収入は学校のために使われることになっている。昨年はこの木から3リットルのオリーブオイルがとれた。生産者女性らが地元の装いで収穫に参加した。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:47866 )