モロッコ: スペイン政府によるセウタのフェンス撤去に備えて、モロッコ政府がフェンスを設置
2019年10月28日付 al-Quds al-Arabi 紙
■スペイン政府がセウタのフェンスを撤去するのに備えて、モロッコ政府がフェンスを設置する。
【ラバト:本紙】
セウタ・モロッコ国境上に、現在のような数量と規模で有刺鉄線が張り巡らされたことは一度もなかった。
スペイン内務省は、16か月前にフェルナンド・グランデ・マルラスカ内務大臣が(有刺鉄線の除去が)義務だと明言したにもかかわらず、いまだ危険性を減らすためにフェンスを1センチも変えずにいる。一方、モロッコ政府は、その間、国境線8キロにわたって自国領土内をフェンスで囲む作業を終了した。スペイン側は、(撤去)作業を年末までには開始する予定である。
皮肉なことに、スペイン領セウタをモロッコと隔てるもの、つまり森の様に密集した有刺鉄線は、(スペイン政府が明言した)移民の人権や身体的安全の義務に反するものになってしまった。
スペイン政府の決定による(社会的)不安は、国境整備の将来的な体制が示される前に政府と治安警察の話し合いで決まった(有刺鉄線撤去)命令が引き起こした。というのもスペイン政府が有刺鉄線の棘の代わりに(不法)移民の流入を阻止する対策が明らかにしていなかったからだ。
この不安に対してスペイン政府は、モロッコ政府が新しい防衛線の設置したことに安堵している。一方モロッコ政府は、スペイン新政権が(モロッコ政府と事前に調整することもなく)一方的に(有刺鉄線の)棘の撤去を決めてしまったことに納得がいかず、新しくフェンスを作る措置を講じた。
(後略)
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( 翻訳者:野口藍良 )
( 記事ID:47923 )