アタテュルクに関する最良の本10冊
2019年11月07日付 Hurriyet 紙


ムスタファ・ケマル・アタテュルクの人生と彼の業績は今日に至るまでトルコ国内そして国外の数多くの作家によって物語られた。アタテュルクがいまだ存命の時に執筆されたものも勿論存在しているがその大部分は彼の死後に著されたものである。そのうちの幾人かは彼の記憶を概説し、また一部は最も完璧なポートレートを執筆しようと努力した。一部の人々は初めから終わりまで彼の賛美に終始してしまった。アタテュルクをよりよく理解するためには、彼を異なる観点から解説する最良の書籍の数々を検証する必要がある。
以下は、最良のアタテュルク本10冊である・・・


■『チャンカヤ』-ファリフ・ルフク・アタイ

さて問題となるアタテュルクはというと、名前を思い起こさなければならない最初の本は、出版年が1961年である『チャンカヤ』である。ファリフ・ルフク・アタイ氏は、個人的にアタテュルクと机を共にしていた人物であり目撃をした事件の数々について執筆をしたのだった。アタイが士官であり、指導者、設立者、天賦の才の持ち主であり、変革の男そして勿論のこと一人の人間であるムスタファ・ケマル・アタテュルクを直接の見聞とともに物語ったこの書籍は数多くのドキュメンタリー作品と小説の典拠ともなった第一級資料となった。

■『アタテュルク』-ヤクプ・カドリ・カラオスマンオール

「私たちの最初の青年期は一人の国民的英雄を思い焦がれて過ごしたものだ」という文章から始まる、トルコ文学のビッグネームであるヤクプ・カドリ・カスタマノール氏の『アタテュルク』という題の作品は。ヤクプ・カドリ氏は、この本を「バイオグラフィ的な分析の試み」と述べている。「アタテュルクの死に続く追悼の週間に一気に書き上げられたために本には客観的な基盤は求められていない」とカラオスマンオール氏は白状している。

■『アタテュルク、一つの国家の新たな誕生』―ロード・キンロス

イギリス政府によって1952年にアタテュルクに関しての一冊のバイオグラフィを執筆する責務を託されたパトリック・キンロス氏は、ちょうど5年間に渡ってこの本のための仕事を継続し、本は1960年に出版された。作品は、アタテュルクのキャラクターに関して詳細なアイディアを提供するのと同時に、オスマン帝国の最後の年月と新しく建国されたトルコの最初の年月も解説している。

■『唯一無二の男』-シェヴケト・スレッヤ・アイデミル

計3巻から成り1963年に出版された書籍でアイデミル氏は、ムスタファ・ケマルの完璧なバイオグラフィを執筆し、さらに崩壊する一つの帝国と建国される新たな共和国の冒険を物語っている。作品は、彼の家族から友人たち、対立者たちと政敵たちにいたるまで彼らとの様々な関係、個人的な諍いから改革の数々に至るまで、最も重厚なアタテュルク本である。

■『アタテュルク/現代トルコの建国者』-アンドリュー・マンゴ

マンゴ氏は、2000年代に出版された書籍において、アタテュルクの人生をあらゆる観点から分析をし、帝国の崩壊と更に重要なことに新しく建国された近代的な国家の物語を描いている。数多くのオスマン帝国史、トルコ共和国史の研究にも影響を与えたマンゴ氏の作品は、アタテュルクとその当時に関しての最も重要な書籍の一つである。恐らくは全ての人の書棚に置かれなければならない本の一冊である・・・

■『サル・ゼイベキ』-ジャン・デュンダル

ジャン・デュンダル氏は、(同名のテレビ・ドキュメンタリー作品である)「サル・ゼイベキ」を1990年代に撮影した。その後に書籍化した。『サル・ゼイベキ』で私たちは、アタテュルクの苛立ち、悲しみ、恋焦がれて、幸せになり、過ちを犯して、酒とタバコを嗜む顔を知ることになった。歴史的なパースペクティブの繋がりを破綻させることなく、前線におけるそれではなく舞踏室における姿を目の当たりにするのだ。書籍は、アタテュルクが日々の生活においても、どれほど影響をもたらしていたのかということを提示している。

■『どのアタテュルク』-アッティラ・イルハン

アッティラ・イルハンの本ではアタテュルクが軍服を着て下した決断の数々や、紡ぎ出した文章の数々と行動の政治的な側面を評価している。オスマン帝国とトルコ共和国の“統治形態”を分析して、アタテュルクが成し遂げたことやその言動を「ガリエフ主義者」の観点から読解し、彼の「社会主義指導者」としての側面を提示している。「どのアタテュルク」は、執筆された最良のポートレイトの一つである。

■『革命の歴史と国民意識の観点からみるアタテュルク』-エムレ・コンガル

社会学者のエムレ・コンガル氏は、アタテュルクに対してトルコ革命とこの巨大な動きの中で実現した事ついてアプローチしている。公式文書の数々、秘蔵の議会報告書、アタテュルクについて執筆された回顧録の数々と行われた様々な研究、取り分け外国人たちが執筆したアタテュルクの書籍の数々を、アタテュルクとその当時を物語る小説の数々と、勿論のこと「ヌトゥク(アタテュルクの演説集)」を社会学理論の観点から取り扱っている。

■『一体、どのアタテュルク』-タハ・アクヨル

本は、実際のところ只のアタテュルクのバイオグラフィではない。それよりもアタテュルクへと向けられた見解の数々を評価して批判し、また事実を提示している一つのメソッドが存在している。アクヨル氏がとりわけ「どのアタテュルク」のために執筆した記事が書籍の基盤を構成している。作家は、ムスリム、西洋主義者、政治家、指導者のアタテュルク像を分析しており独立戦争後の声明の数々を分析している。

■『アタテュルク』―クラウス・クレイサー

ドイツ人歴史家のクラウス・クレイサー氏のアタテュルクのバイオグラフィは最も新しい文献の一つである。特に、アタテュルクの教育と自身を育成する問題に焦点をあてたクレイサー氏は、未だに前線の一人の士官だったころに明言した目標と言動を、アタテュルクの読んだ歴史、文学、政治そして哲学作品の数々から明らかにしていて、一人の士官から、トルコ近代化の設立者に至るまでの個人的な冒険を解説している。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:48041 )