ブルガリア:トルコとブルガリアの架け橋の映画『バラの国ーダマスケナ』が全国公開
2019年12月31日付 Hurriyet紙


ブルガリアで起きたある物語を描いた『バラの国-ロサ・ダマスケナ』という映画がトルコで1月31日から劇場公開される。

著名なブルガリア人俳優が役を演じているこの映画は、ある成功を収めた物語のヒーローである薔薇油の生産者、テコの人生を描いている。映画では同時に、(1989年当時の)住民の交換の時期においてトルコ人に対して行われた抑圧も、ブルガリア人たちの視点から映し出されている。

トルコへは連邦映画アカデミーによって持ち込まれた映画の製作者であるストヤン・ストヤノフ氏は、この映画はブルガリアという国のこの40年を取り上げたものであると語った。

ストヤノフ氏は、ブルガリアは3千年の歴史を持つ国であると語り、「完全に歴史的な一つの映画で、国の過去と向き合わないことは不可能なことです。映画それ自身は一つの夢、つまりは願いとして設計したのです。子供たちの夢の数々を彩る美しい一つのトラキアの女王としてデザインされたのです。」と話した。

■「ブルガリアはバラの国です」

全ての人間には夢があると語るストヤノフ氏は、「本当のところを言えば全ての人間の夢は実現する事ができると私は願っています。このような見方から決して明日は存在しないということ、ただ今日という一日だけが存在するのだと気が付いてから現在に至るまで、もはや過去の事は私は放ってしまいました。私は全ての夢を実現させたのです。もしもあなたがご興味を持つのでしたら、これをどのようにして現実のものとしたのかお伝えしましょう。私は、毎晩眠りにつくために時計を設定している恐らく唯一の人間でしょう。鳴った瞬間に終わりを告げることができるようにと寝床に向かっているのです、なぜなら私の夢は一日の起きている時間なのです、寝床についてしまえばそれは終わってしまうのですから。あなたと今現在話をしている時でさえこれは私の夢なのです、つまりは一つの悦びなのです。あなたに対して何かを語ることが出来るということ、貢献することができるという事は一つの至福なのです。」と語った。

脚本と監督も手掛けるストヤノフ氏は、ブルガリアの昔そして新しい歴史へ言及された映画ではバラ生産の400年の歴史も観客の目の前に提示されていると語った。

ストヤノフ氏は、歴史を知らない国家はどこへ向かったのかということも決して知ることはできないだろうと注意を引いて、以下のように続けた。
「これは一つの真実なのですが、バラはただカザンラク地方のためだけではなく、全てのブルガリア人にとって非常に重要なのです。なぜならバラはブルガリアのシンボルなのです。ブルガリアはバラの国なのです。バラへと向かう道のりには、ただバラの美しさがあったという訳ではなく、同時に沢山の棘に覆われていたことも、あなたたちにお伝えしなければなりません。映画それ自身でも、全てが楽しいわけではないこと、このバラの伝説を新たに蘇らせるための忍耐と、意思そしてキャラクター達が必要だったということをご覧になるでしょう。」

■「ダマスケナという単語は、ダマスカスが起源」

ダマスケナという名前はバラの油が生産されたバラに由来すると語るストヤノフ氏は、「あなたたちに面白い事をお伝えしたく思っています。バラの油を生み出すバラの祖先はダマスクロースです。つまりはダマスカスなのです。そういうわけで、ダマスケナという単語もこれが由来となっているのです。」と教えてくれた。

ストヤノフ氏は、ドイツ人哲学者ニーチェの「私たちを殺さない全てのものは、私たちをいっそう強くする。」という言葉を引き合いに出して以下のように語った。「私の人生の転換点は、10年前に脳に腫瘍が出来たことを知った時です。それは私にとって勿論、非常に大きな転機でした。同時にまたこれは大きなアドバンテージとなったのです。このアドバンテージは、非常にシンプルな真実を理解するのに助けとなりました。私の頭のこの存在のお陰で、決して私には明日がないということに気がついたのです。過去にも生きることはありません。このために、今日一日のため、まさに現在のために生きているのです。私の周囲の人々へ、私の友人の大多数にこの問いかけをしました。『あなたには24時間しか残されていない。明日にはもうこの世にはいないという事を知った時、あなたは一体何をしますか?』
勿論のこと、皆それぞれ異なった答えをしました。あなたもこの問いかけをご自身にもしてみて下さい。この問いかけへ与えられた全ての答えは、正しいものであるはずです。
私もこの問いかけへの答えは現在のところ何をしていても、その行為がそれなのです。今まさに私は、あなたに話しかけているではありませんか。このチャンスを見出すことが出来て、私は本当に幸せです。今この瞬間を感じることができ、私は今現在の中で生きているのです。
全ての瞬間をこのような形で生きることが出来るのであれば、物事は正しいのですし、そしてあるべきところに存在するはずなのです。」


トルコとブルガリスタンは、経済的そして政治的に常に共に発展してきたと強調するストヤノフ氏は、「私はこの映画がトルコとブルガリアの間の一つの橋となるようにと願ったのです。よく知られているように1980年代の終わり、まさに1989年に政治と民族の緊張が起こりました。私はこのプロセスがあまり大きな惨事が起こらずに終わりを迎えたのが嬉しかったのです。このことは映画の中でも描かれています。」と語った。
映画はブルガリアからトルコへ送られた一つのメッセージであるということ、この作品を通してトルコに対して良好な感情を育んでいる国民なのだ、という事を伝えたかったと語る製作者は、「この点については、私をトルコにおいて一つの映画の公開へと導いてくれたのは、二つの国民がもっと近づくことへの信念です。これは、トルコで公開される初の映画であり、そしてこれを成功させることが出来れば大変幸せに思います。」と語った。

■映画では歴史的な真実も描いた

ストヤノフ氏は、映画が自伝的な映画である以前に歴史的な映画であるということを強調して以下のように語った。
「近年、取り分け最近の30年では幾つかの政治的な失敗が行われました。1989年に起こったようなことです。ブルガリアとトルコに関しても、この事は両国について簡単に指摘する事ができるでしょう。およそ100万人のトルコ人がトルコへと、国境の外へと追いやられました。映画をご覧になる際に皆が、これを自分の身に重ね合わせて考えて下さい。そして、私の考えではここから一つの教訓を得てほしいと思います。沢山の人々が1989年にブルガリアから離れなくてはならなくなりました。そして危機が始まったのです。それから30年後に至るまで、本当に誰一人として現在に至るまで、私がこの真実を提示したようには提示する勇気を持たなかったのです。これを私たちは目の当たりにしました。清算をしようではありませんか。過去の事は忘れましょう。そして未来を見据えましょう。」

彼自身の作であり、その人生を映し出している音楽はトルコのトゥーバ・ユルトによって歌われているという情報を提供したストヤノフ氏は、「20-25年間、ブルガリアは非常に困難な時期の中にありました。25年間に渡って歌を歌うことも、音楽について考えることができるという空気も存在していませんでした。私にはこのような時間は全くありませんでした、いつも自分の仕事に関心を持っていたのですから。そしていきなり最近の5-6年で、映画でも見受けられるように人々の魂の力強さとともにこのメロディーが生まれたのです。この何分かの短いメロディーは兎に角、私の全ての人生を物語っているという事ができます。」といった表現を用いた。

ストヤン・ストヤノフ氏は、トルコの映画業界の専門家たちがこの映画を気に入ったという事を聞いて嬉しいと思うと語り、ダマスケナの土地としても物語に適しているので非常に気に入られたのだと説明した。

映画監督はトドル・アナスタソフ氏とアレクサンダー・スモリャーノフ氏が担当した『バラの国:ダマスケナ』においてはヴェセリン・プラチコフ氏、デミタル・バネンキン氏とネダ・スパソヴァ氏がそれぞれメインキャラクターを演じている。

映画の映像監督はフリスト・グレンコフ氏が担当し、脚本はストヤン・ストヤノフ氏、マリア・ラレヴァ氏、アレクサンダー・スモリャーノフとフリスティアン・ノチェフ氏、音楽はゲオルギ・ストゥレゾフ氏が手掛けている。

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(翻訳者:堀谷加佳留)
(記事ID:48358)