イスタンブル広域市が、公共交通の値上げを行うと公表した。
イスタンブル広域市から発表された声明では、「UKOME(交通調整センター)は、およそ3年間据え置かれてきた公共交通の運賃について、物価の大幅な上昇を受け、新たな料金水準を設定することを決めた。2月10日月曜日より適用される新しい運賃表では、正規の電子乗車券が3.50リラ、学生用乗車券が1.75リラ、ブルーカード(訳注:1か月定期・180回乗車)が275リラ、学生用ブルーカード(訳注:1か月定期・200回乗車)が50リラとなることが決定したと説明された。
■新しい運賃表
イスタンブル広域市の文書発表は以下の通りである。
「イスタンブル広域市が管轄するUKOME(交通調整センター)は、2020年2月6日に行われた会議において、イスタンブル商工会議所連合(İSTESOB)の提案により、イスタンブルの公共交通機関の運賃値上げを決定した。2月10日月曜日より適用される新しい運賃表では、これまで2.60リラだった正規電子乗車券を3.50リラ、1.25リラだった学生用乗車券を1.75リラに、205リラだったブルーカードは275リラ、40リラだった学生用ブルーカードは50リラで販売されることになる。
路線バスと、イスタンブル広域市が運営する鉄道網では、乗り換えの正規運賃は、1回目の乗り換えでは2.50リラ、2回目の乗り換えでは1.90リラ、3〜5回目については1.20リラと定められた。学生用の乗り換え運賃については、1回目は75クルシュ(訳注:100クルシュ=1リラ)、2回目は70クルシュ、3〜5回目については60クルシュとなる。都市内路線のフェリーや、共通乗車券の対象となる水上バスについても、これまで2.60リラだった路線は3.50リラに、2.70リラだった路線は3.65リラに、3リラであった路線は4リラになる。フェリー路線での乗り換え料金は、1回目は2.80リラ、2回目は2.30リラ、3〜5回目は2リラである。
■公共交通の運賃がおよそ43%値上げ
イスタンブルでは、2017年5月25日から現在までおよそ3年間の間、公共交通機関の切符の値段は一切値上げされてこなかった。この期間の間に、暖房用の燃料、インフレーション、最低賃金、運営費用が増大したことから、公共交通機関の運賃はおよそ43%の値上げされた。イスタンブル広域市のエクレム・イマムオール市長の指示によって、コストの増大を全て市民の側に反映させないことが決定され、電子乗車券の価格については、増加したコストよりも低い割合で値上げが行われた。これにより、市民の利益を守ると共に、公共交通サービスを提供する側がインフレで潰されるのを一定度防いだ。公共交通サービスの支障ない継続のために必要不可欠なこの値上げが、イスタンブルの人々に理解され、受け入れられるよう願っている。」
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( 翻訳者:宮崎友裕 )
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