シリア:東京外国語大学がシリア大使館の協力を得てアラビア語朗読コンテストを開催
2022年12月10日付 その他 - SANA 紙
■東京外国語大学がシリア文学の一節を朗読するコンテストを開催
【東京:SANA、ルアー・ハリーファ】
東京外国語大学は、在日本シリア・アラブ共和国大使館の協力とシリアの審査委員会の参加のもと、世界アラビア語デーを記念して、アラビア語朗読コンテストを開催し、アラビア語を学ぶ日本の学生がシリアの詩人や作家の文学作品の一節の朗読を競い合った。
東京からインターネットで配信されたコンテストには、東京外国語大学などから39人の男女学生が参加し、ザキー・クンスル、ニザール・カッバーニー、スライマーン・イーサー、バダウィー・ジャバルの詩の一節を朗読した。ダマスカスへの愛、独立、ジャスミン、ダマスカス剣、母親などへの愛を綴ったカスィーダ(定型長詩)は多岐に及んだ。
東京外国語大学アラビア語専攻代表で企画委員長を務める青山弘之教授は、SANAに対して次のように述べた――アラビア語を含む外国語の学習者にとっての弱点を克服することがコンテストの狙いです。アラビア語を学ぶ学生は、文法やテキストを理解する高い能力を持っているものの、コミュニケーション(会話)に得意ではありません。理由は話す際に間違えることを恐れるためです。そこで、私たちは、人前で声を出して読むことが、アラビア語を使うことに慣れ、この問題を克服する最善の方法だと考えました。
青山教授は、シリア文学の一節を選んだのは、文化、文明、文学といった多くの面に見られるシリアの良いイメージを広めたいとも指摘した。
在京シリア大使館のムハンマド・ナジーブ・エルジー臨時代理大使は、この活動の企画が東京外国語大学のアラビア語専攻との2ヵ月に及び、シリアと日本の文化協力の架け橋を活性化するなかで行われており、双方の学術・外交関係者がダマスカスと東京で同時に審査委員会に参加していると述べた。
そのうえで次のように述べた「アラビア語は文化、そして文明の担い手です。日本の学生がアラビア語を学び、このコンテストに参加することは、過去数年にわたって、シリアが戦争に苛まれた国としてばかり報じられることで、この国のメディアで作り出されてしまったステレオタイプを改めることにつながります。日本の学生たちは、朗読する詩の一節を通じて、シリアが文明、栄光、文化と結びついた国であること、シリアが信頼や尊敬をもたらす価値観を体現していることを知るようになりました」。
エルジー代理大使は、日本のさまざまな団体と協力して多くの文化的プロジェクトに取り組んでおり、その最初の成果として2日前にはシリアで日本の桜の植樹が行われたと指摘した。
一方、在シリア・日本大使館の三宅浩史臨時代理大使は、このコンテストがシリアと日本の関係強化の良い機会だとしたうえで、アラビア語を学ぶ日本の学生が多くいることは、こうした関係強化を担うことにつながると述べた。
非母語話者のためのアラビア語教育学院のヌジュード・アターッラー所長は、東京外国語大学とこうした試みを行えて嬉しいとしたうえで、日本の大学生がシリアの詩人ら心から愛してきた祖国を詠った詩のもっとも美しい一節を読むことで、シリアのイメージを直に知ってもらうことに貢献するものだと述べた。
ダマスカス大学日本語学科のナーヘド・マルイー博士は、このコンテストの実施にあたって行われた努力を褒めたたえて、これほどまでに多くの日本人学生が参加してくれたことは、シリア文化への関心を示すものだとしたうえで、こうしたコンテストがアラブ文化への関心の向上させるための機会を与え、将来の協力の道を切り開くことを希望すると述べた。
コンテストは7名の優秀な学生を讃え、最優秀賞、優秀賞、優良賞、アレッポ大学日本学術協力センター賞、ダマスカス大学日本語学科賞、非母語話者のためのアラビア語教育学院賞、そして奨励賞を授与して締めくくられた。
審査委員会は、委員長を務めるムハンマド・ナジーブ・エルジー在日本シリア・アラブ共和国臨時代理大使、非母語話者のためのアラビア語教育学院のヌジュード・アターッラー所長、アレッポ大学日本学術協力センターのアブドゥルイラーフ・ナーウロー所長、ダマスカス大学日本語学科のナーヘド・マルイー博士、在シリア・日本大使館の三宅浩史臨時代理大使によって構成された。
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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
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