シリア:シリアをめぐるトルコの困惑
2020年02月10日付 al-Mudun 紙

■イドリブにおけるトルコの困惑

【アムル・クーシュ】

イドリブでシリア政府軍によってトルコ人兵士7名が殺害されたことを受けて、トルコ・ロシア間に緊張が走っている。また、これによりロシアとの関係およびイドリブへの駐留を巡ってトルコ政界では議論が再燃し、その対象はトルコのあらゆる外交政策にまで及んでいる。なお、野党党首のカマール・クルチダル・オール氏は、自国の外交政策が、(トルコ)外務省サイドが進めているのでもなければ、エルドアン大統領自身の手によって進められているのでさえなく、ウラジミール・プーチン大統領サイドによって執り行われるようになってしまったとの見方を示した。

この緊張の原因をめぐるトルコ側の見解は一致しておらず、トルコ人兵士の殺害の結果生じた事柄から、それによってトルコの政治家はどんな選択肢を取りうるだろうかと途方にくれてしまったというものまで様々である。また、野党である共和人民党党首クルチダル・オール氏は、トルコ政府がバッシャール・アサド政権との関係を正常化させる必要性を繰り返し説いていたが、この要求を撤回し始めた。というのも、トルコ政府に対してアサド政権側と協議の席につくよう求めるのは賢明ではないと考えたからだ。この背景には、イドリブにあるトルコの監視拠点をアサド側が狙ったこと、およびそこにいた多数の兵士を殺害したことがある。しかし、クルチダル・オール氏はシリアにおける政治的解決の方策として複数の論点を挙げた。そしてその論点を、イドリブがシリアの領土であるという事実は無視しないが、イドリブがトルコの国防にとっての脅威となっていること、イドリブに関してソチ合意の見直しを行うこと、トルコが時にはロシア、またある時はアメリカの顔色を伺い、安保理や国連、EUの側につくのをやめることに加えて、シリアの体制転換を求める政策を放棄すること、さらにはシリアでの流血をとめるために移行プロセスの端緒となるような外交努力を行うことに限定した。

(後略)

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( 翻訳者:藤原路成 )
( 記事ID:48556 )