拘束されたジャーナリストのテルクオウルの妻語る
2020年03月08日付 Cumhuriyet 紙

オダ・テレビ編集長バルシュ・ペフリヴァン、ニュース編集者のバルシュ・テルクオウルは、取材を理由に、再び拘束されシリブリ刑務所に送致された。妻と家族にとっては8年前と同様、再度、刑務所を訪れる事態になった。テルクオウル編集者と10年間生活を共にしてきた妻のオズゲ・テルクオウルは、この事態に対しとても気丈で冷静である。6歳の息子アリ・デルヤはというと、起こったことを知らない。夫とオダ・テレビ編集長バルシュ・ペフリヴァンが正しいとわかったことを書く記者であると述べたオズゲ・テルクオウルは、「トルコでこれを行う新聞記者の数は、残念なことに少ない。この出来事がきっかけでより数が減る原因とならないよう祈っている。この職業に就きたいと望む人々にとって、これがトルコでよい例となる絶好の機会である。もちろん[記事の対象となった事件が基で]利益を手にする人々にとって、これはとても不愉快である。書かれることや撮られることを望んでいない。そもそも、私の夫のような人間が簡単にあきらめない人間であることを彼らは知っている。私たちは最も暗い時代の中で常に言ってきた。私たちはこうであり、容易に態度を変えない」と述べた。

-まず、気分はどうか。

いい。力にあふれている。この事態をやり過ごす力がある。もちろん、困難とバタバタと走り回らないという時期で、離れるのはつらいが、自分自身は問題ない。

-お子さんはどうか。

アリ・デルヤもいい。彼にこの状況はまだ話していない。まず、カウンセラーと会って助言をもらう予定だ。息子にとってこの状況を説明する最も適切な方法を見つけるように努めている。さらに、最初の時期が過ぎ、落ち着くことを願っている。アリ・デルヤは、バタバタした状況を感じている。多くを尋ねない。

バルシュは、元々、とても忙しい記者だった。

そう。バルシュは、著書のサイン会に行ったり、あるいは、取材先に行ったりとしていたので、アリ・デルヤはそう考えている。彼もこうした長期不在には慣れている。

-あなたの夫が拘束された晩、アリ・デルヤは家にいたのか。

いいえ、家にいなかった。たまたま。その晩は私の実家にいた。私たちは夕飯を食べに行った。バルシュは、本を完成させる最後の時期であり、新聞のコラムを書くため、仕事をしなければならなかった。母に、母の所に泊まって、そこから学校に行くよう、言った。

-複数のSNSの複数のアカウントがあなたの夫を標的にしていた。拘束されるのを予期していたのか。

私が家に帰ってくるとバルシュは状況を説明した。荒らしのアカウントが拘束の話題を盛り上げていると言った。その晩、拘束を予期しながら私たちは床についた。彼ら(警察)が来た時には、「バルシュ、彼らが来た」と私は言った。2回目のチャイムが鳴る前に私たちはドアを開けた。

- 約九年前、あなた方は裁判所の廊下にいた。あの当時から変わったことは。

変わったことは、9年前にバルシュが逮捕された際は、今程、著名な記者ではなかった。外部で彼がどんな人物であるのかを説明するのは難しかった。その当時、彼は抗弁する際に、とても巧く語った。今、もはやバルシュが誰なのか、何を行い、どのような立ち位置か、皆知っている。評価を受けている。私は孤立無援とは感じない。彼への支援に関し、皆に感謝している。9年前の裁判は、先行きの見えないものだった。フェトフッラー派が信じられないような証拠を作り上げる時代だった。何もかも不明瞭だった。あの当時起こったことは、ことが収まりきらない深刻さである。こうした陰謀がいかにひどいもので、その結果が万人にとって酷いものであるかを、この国に証明した。

-今回の捜査は、他のグループによる陰謀ではないかということか。

今日もいかに混沌としているかは明瞭である。バルシュのような人物達はこのことを書いている。今日のトルコの問題や、あり得る危険性について書いている。そうした危険を生み出す集団もこうした行為を不快に感じているのも事実である。今回の捜査、逮捕について該当するとは言わないが、そうした集団がバルシュを標的にしようと努めているのは何度となく経験した。[今回逮捕された二人は]『転移』を書た。その本はトルコの問題を明らかにした。今、新著の執筆が終わろうとしている。二人は正しいとわかったことを書く記者業を行っている。トルコではこのような記者の数は残念ながら少ない。この出来事がきっかけでより数が減る原因とならないよう祈っている。若い記者である。今も二人ともそう思っている。(笑い)。この職業に就きたいと望む人々にとって、これがトルコでよい例となる絶好の機会である。もちろん[記事の対象となった事件が基で]利益を手にする人々にとって、これはとても不愉快である。書かれることや撮られることを望んでいない。そもそも、私の夫のような人間が簡単にあきらめない人間であることを彼らは知っている。私たちは最も暗い時代の中で常に言ってきた。私たちはこうであり、容易に態度を変えない。(笑い)。

(中略)

- 今回の逮捕決定から、いかなるメッセージを読み取る。
この決定は、すべての新聞記者にとって、あるメッセージを含んでいる。この職業を行えないような状況にしている。誰かが本当のことを書くことは、皆にとって、この先いつか必要となることである。私は、夫同様、[今回逮捕された]バルシュ・ペフリヴァンは、[特定ではなく]様々なグループに関して、真実を書く人物[と思っている]。この意味で情報を享受する自由を、誰が、何時、必要とするかは明白ではない。この権利を標的とする者達はこうしたすべてのことを無視していくかもしれないが、彼らもまたこの先、何時真実を書く人々を必要とするかもしれなくなるかは、明らかではない。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:48647 )