モロッコ:コロナで外出禁止、貧困地区では困難(1)
2020年04月01日付 al-Quds al-Arabi 紙


◼︎自宅待機はモロッコの貧困地区では困難

【ラバト:本紙】

アブドゥッラーは日光が十分に入らない1Kの自宅で、毎日妻と子どもたちと一緒にいなければならない。モロッコ当局が課している外出禁止のためだ。しかし彼は新型コロナウイルスに感染する危険があるにもかかわらず、通りにいる方がいいと思っている。

アブドゥッラーは行商人で、年齢は49歳である。9歳から13歳までの3人の子どもたちの父親だ。モロッコの衛生緊急事態令のもと先月3月20日に規制が掛かってから、彼は仕事をすることができていない。「(公衆)衛生上隔離は必要だが、一日中自宅にいることは不可能だ」と、彼は語る。

外出禁止は全国で広範囲にわたって守られているものの、アブドゥッラーの住む、首都ラバトで最も人口密度の高い「タカッドゥム」地区のような庶民的な地区では、多くの人が自宅待機は困難だと感じている。

映画で見るようなラテンアメリカの街をまず思い起こさせるこの地区では、家々には小さな窓があり、路地はらせん状になっていて狭い。外出禁止を守る住民たちが自宅にとどまり小さな窓から(外を)眺めて時間をつぶす一方で、他の住民たちは普段どおり出歩いている。子どもたちは仲間同士のグループで遊んだり、時には玄関のところに座ったりしている。スフヤーン(32歳)は友人と談笑していた。彼はふた間のアパートで両親と5人のきょうだいと共に暮らしていると言う。そして、「感染力も外出禁止の必要性も理解しているが、ぎゅうぎゅう詰めでとても耐えられない」と続けた。

(2)に続く

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( 翻訳者:源島菜月 )
( 記事ID:48775 )