コロナウイルスは中東の「時限爆弾」(2)
2020年04月01日付 al-Sabah al-Jadid 紙

国際難民団体は、世界中の避難民の窮状についての詳細な報告書を発表し、国際緊急援助活動を求めた。同団体の支援プログラム・政策担当副代表ハーディン・ラング氏は、「世界的に感染が拡大している今、世界で最も被害を受けている人びとを見過ごしてはならない」と言及した。

国際難民機関によれば、少なくとも1200万人の難民と国内避難民がイラク、シリア、レバノン、トルコに住んでいる。中東全域では、容易に国境を行き来することができるので、難民や経済移民などは非合法な手段で移動している。

中東の脆弱で崩壊した公衆衛生制度は、有効なコロナウイルス対策にとっては、もう一つの課題である。

全面的な紛争のない地域でも、コロナウイルスへの不安を引き起こしかねない危険因子が存在する。イスラエル占領下のヨルダン川西岸と人口密度の高いガザ地区はもっとも危惧されるべき状況にある。住民は孤立し、事実上、イスラエルとエジプトに封鎖されているが、両国はそれを治安上必要な対策だと主張している。

イスラエルと国際社会は、これまでずっと、ガザ地区に対する責任を巡る議論を重ねてきた。イスラエルはガザ地区から軍を撤退させた。そしてガザでの出来事はもはやイスラエルではなく、「ハマス」当局の責務であると主張している。

地球規模の危機の時期に、対立を回避しうると考えるのはいいことだ。(現に)イスラエルは、(対立の)裏で、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人に様々な物資を提供し、医療従事者対象の研修会を開催した。

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( 翻訳者:下宮杏奈 )
( 記事ID:48803 )