エジプト:コロナウイルス流行中のラマダーン月の断食について割れる見解(1)
2020年04月16日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ユースフ・ザイダーン氏はコロナウイルスを理由にラマダーン月の断食を解くことを呼びかけ…前アズハル副総長は「イスラーム法の規定に対する軽視の扉を開いた」と返答(1)
【カイロ:本紙】
エジプト人作家のユースフ・ザイダーン氏は、コロナウイルス流行が終息するまでは家に留まり、ラマダーン月断食について議論しないようイスラーム知識人や法学者らに呼びかけた。
同氏は、エジプト第一チャンネルの自身の番組「タースィア」で、「アラブ・イスラーム共同体の著名な医師たちは感染が流行している間は断食と性行為を控えるよう唱えた」と述べた。
続けて「人類の文明は蓄積の上に成り立っており逆戻りするものではない。我々は自明の理について議論している」とし、「ムフティーとアズハルは断食における免疫力の向上について口を挟むべきではない」と述べた。また、「宗教組織という名称のものは存在しないし、クルアーンにも宗教組織についての言及はない」と述べた。
同氏はさらに以下のように付け加えた。「感染流行期においては、私は断食するべきか否かについてイスラーム法学者ではなく医師に尋ねるつもりだ。知識人は私たちが消えてなくならないために家に留まらなくてはならない」。
前アズハル副総長のアッバース・シューマーン氏はこれに素早く反応し、「新型コロナウイルスを恐れて断食を解くというファトワーは根拠のないものである」と述べた。同氏の発言は力強く偉大なるアッラーの以下の教えに依拠している。「われがあなたより以前に遣わし、啓示を授けたのは人間に外ならない。あなたがたがもし分らないなら、以前に訓戒を与えられている民に問うがいい(※注 クルアーン16:43)」。
(2)に続く
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( 翻訳者:武田ほのか )
( 記事ID:48905 )