ヨルダン:新たな「国益をめぐる問い」の諸相(2)
2020年04月15日付 al-Quds al-Arabi 紙

■新たなヨルダンの「国益をめぐる問い」の諸相:コロナ、エストニア、キッシンジャー、イスラエル産ガス、ネゲヴのオイルシェール

【アンマン:本紙】

≪政府は代替エネルギー計画を「開始」するも、イスラエルとの関係正常化への問いはのこされたまま≫

改めて、これは解くことが難しいヨルダンの政治的な「等比数列」である。コロナウイルスによって国際関係の枠組みにめまぐるしい変化が起きているにも関わらず、現在のところヨルダン政府はオイルシェール問題や太陽光から風力に至る国のエネルギー生産に関して何も言及していない。ターヒル・マスリー元首相によると、上記の変化は、国益に関係するという理由から、国益に基づいた思考だけでなく「振る舞い」についても羅針盤よろしくヨルダンがどういった進路を取るか考え始めなくてはならない変化であるという。

ミスリー元首相は本紙との対談の後、ウイルスはこれまで通用していたルールを揺るがし、「新たな世界秩序」を持って収束するという理論を支持している。

ミスリー元首相の意見は、高齢でありながらも重要人物であるアメリカ人ヘンリー・キッシンジャー氏の「コロナ後の新世界秩序」に関する発言と大差ないもので、「COVID−19」が変えてしまったように同盟が新たな状態となったとき、特に交戦協定や保護、ヨルダン人の健康と声明を守るようなイニシアティブのもと「国内的には否定できない成功」を収めた後に、我々は同盟の基礎や方針をどうするか、用意はできているのだろうかと問いかける。

今日のヨルダンのエリートは誰1人としてミスリー元首相の問いに「はい」と答えることはできない。現在の「国内の保護」や「ウイルス封じ込め」、そしてその後にやって来る「新たな世界の様相」を注視することに対する他のあらゆる認識以前に、すべての分野はつながっているのだ。ミスリー元首相は、今後中国は確実に優位に立ち、アメリカや西洋といった古くからのヨルダンの同盟国は後退の道をたどるだろうと示唆している。

(後略)

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( 翻訳者:伊藤遥 )
( 記事ID:48913 )