アメリカ:WHOへの資金拠出停止は何を意味するか?(2)
2020年04月24日付 al-Quds al-Arabi 紙
■アメリカのWHOへの資金拠出停止は何を意味するか?2人のアラブ人医師が説明する(2)
【パリ:本紙】
また、アブドゥッラー・シャーヒーン医師とタイスィール・カリーム医師は以下のように述べた。「この危機に対応することは長期的なWHOの未来を描くことになるだろう。つまり、この危機への対応が世界の保健活動の場におけるWHOの存在感を確立する一助となるか、あるいはWHOに終止符を打つのを早めるかということだ。」国連機関が透明性、優れたリソース管理、対応方法、危機管理に関する深刻な問題に苦しんでいることは隠すまでもないことであり、実際に成功したプロジェクトですら(費用対効果)に基づいて再評価されなければならない。しかしながら、この危機の下で国連機関の問題を包括的に見直すこと、そして早晩直面するであろうシナリオを提示することがおそらく必要だ。
特に加速する技術革命や人工知能、国際政治の劇的な変化に伴い、現在の形の国連組織は現代のニーズや期待に応えられなくなったのだろうか、つまり国連機関を解体し、ことや新たな国連システムの構築が必要となっているのだろうか、と二人の医師は問いかける。
また、拠出金停止が深刻な財政危機を引き起こすことはないと二人は考えている。特にアメリカの資金は主にイラクやシリア、イエメン、アフガニスタン、コロンビア等といった、アメリカの外交および国防政策上の戦略的重要性を認めている国々の特定のプロジェクトに流れている。つまり、海外災害援助室(OFDA)やアメリカの諸組織は「少なくとも理論上は」WHOを介することなく直接、プロジェクトの援助および監督の継続において効果的な役割を全うすることができるのだ。
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( 翻訳者:本多香奈 )
( 記事ID:48959 )