コロナ後の新世界秩序は?
2020年04月26日付 Milliyet 紙


世界的な悪夢である新型コロナウイルスの流行が招いた変化とチャンスが、専門家26人の見解とともに本にまとめられた。外務省によって作られたこの本には、注目すべき分析が記されている。

外務省は、Covid-19の流行が招いた変化とチャンスを、専門家26人の見解とともに「Covid-19後のグローバル・システム:古い問題、新しいトレンド」というタイトルで出版した。戦術研究センターが作成したこの研究では、新型コロナウイルスによる世界規模の安全保障と国防への影響から流行後の新たな世界秩序まで、医学的な情報活動の高まりから国際関係への影響に至るまで、多くの問題が取り上げられた。

メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、この本の前書きを執筆した。

■同書での分析

チャヴシュオール外相は、前書きで、「Covid-19の流行は、非常に多くの分野で長年に渡って影響が感じられるような変化を招く可能性を持っている。歴史のこの重要な転換点の後、国際的な緊急事態において何が我々を待っているのか、どんな試練やチャンスに備える必要があるのかを、今のうちから判断している」と記した。同書の注目すべき分析の要約は、以下の通り。

■「強い政府」の概念

ウフク・ウルタシュ氏(戦略調査センター所長):Covid-19後に「強い政府」の概念が再び評価を得るだろう。パンデミックとの闘いの比類ない中央組織である政府の必要性が増加するだろう。世界保健機構やEUといった超国家組織を筆頭に、現在のパンデミックにおける不毛で不十分な役割を考えれば、単独で十分な政府と「強い政府」の概念の間のつながりが強化されるだろう。

■「トルコはパンデミック後への移行の準備ができている」

ブルハーネッティン・ドゥラン氏(政治経済社会調査財団(SETA)総調整官):トルコ政府は、パンデミックとの闘いのため一方で国際プラットフォームを実施し、他方で多くの国々に医療支援を送りつつ、「新型コロナウイルスの時代の人道外交」の例を提示している。国民の抵抗と危機管理の試みからも、トルコはパンデミック後に移行する準備ができている国の一つとなるだろう。

■「各国の国内での成功」

エルセル・アイドゥンル氏(ビルケント大学):「新たな」国際システムにおいては、ある国の力は他の国家の失敗以上に自分たちの国の中での成功と結びついたものとなる。

■農業分野

ムスタファ・キバルオール(MEF大学):トルコは、地理的アドバンテージと建国以来発展させてきた法的、組織的、そして技術的な蓄積の双方を使い、農家の組織化による助言を行う一方で、農業技術者とともに将来起こる可能性のある流行との闘いのために農業分野における長期戦略を発展させなければならない。

■外国人ヘイト

フェルハト・ピリンッチ(ブルサ・ウルダー大学):ビザの適用で事前対策に追加して健康状態のレポート、ワクチン証明、血液検査などの追加対策が取られることが、人の移動を制限するようになると見られている。各国が取る厳格な移民政策が他の組織や市民に対しても対策をとる可能性、そして外国人への嫌悪にも新たな増加の波が訪れる可能性がある。

■中東と安定

ジャン・カサプオール(経済・外交研究センター(EDAM)安全保障・国防プログラムディレクター):特に中東と国境を接しているため、トルコの周辺で何年も続く可能性のある不安定と人間の危機に備える必要がある。

■医療情報活動

メルヴェ・セレン(アンカラ・ユルドゥルム・ベヤズト大学):Covid-19は、機密情報収集の規律のすべてにおいて完璧さと活動性を獲得することが必要であることを明白にした一方、「医療情報」の高まりも明らかにした。情報組織が、医療の世界とより緊密な対話メカニズムと協力を行い始めることが必要である。

■軍事的な備え

ヌルシン・アテシュオール(アクデニズ安全保障センター長):トルコは、コロナウイルスの日々の中で、流行との闘いにおける協力について地域で最前面・イニシアチブを担う立場を続けるべきであり、また地政学的な闘いが再び加熱する日々に備えつつ陸・海・空の軍事的な備えを常時更新し続けるべきである。

■新たな秩序

ニハト・アリ・オズジャン(TOBB経済技術大学(TOBB ETÜ)):コロナウイルスと同様の流行により、生活のあらゆる分野でそうであるように、「安全保障」の分野でも負の乗数効果が起こるだろうことは明白である。安全保障と情報機関がコロナウイルスと他の同様の条件下における任務をよりよく有効に行使できるようにすることは、それらの分野における理解を変え、仕組みを作り直す必要性を感じさせる。

行動や、作戦分野における、理解や規範、設備の変化。新たな財政負担。
情報分野ではまず収集方法の困難。分析とリスクの変化。「医療情報」が取り沙汰されること。
スタッフとその家族の安全のための調整が行われること。
兵舎で、部隊の駐屯所で、飛行機や船で、他の基地で、そして国内外での任務。奉仕活動と滞在の理解がコロナウイルスの流行の一環で再び取り沙汰されること。
治安部隊の保健サービスが「再び」組織化されること。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:48972 )