アンタルヤ県マナヴガト郡において、新型コロナウイルス対策の一環で外出を制限されている市民らの関心は、時間をつぶすため野菜や果実の栽培に向いている。苗を売るイスメト・アトチュさんは多くの需要を受けていると言い、次のように話した。「今までにこんなことは見たことがない。『無料配布しています』と言ったってここまでにはならない。業者が1日に2回商品を運んでくるが、それでも間に合わない。」
新型コロナウイルス対策の一環で、トルコ全土の65歳以上20歳以下の人々には無期限、30の広域都市とゾングルダク郡では週末に外出規制が課されている。マナヴガト郡では外出制限令により家から出られない人々が、自宅の庭やベランダで野菜を育てようと苗を買い求めるようになった。
■「土や畑の価値を再認識」
マナヴガト農業組合長であるラスィム・メティン氏は、職場が閉鎖されたことにより人々が暇になり、時間をつぶすために何か没頭できることを探していると言い、以下のように語った。
「もっとも簡単な暇つぶしが土いじりや畑いじりである。全部閉まってしまっているためホテルや職場に行けない人々が、家、庭、ベランダなどで野菜栽培を始めた。実際我々は、新型コロナウイルスによって土や畑の価値を再認識したのである。」
■「まるで無料で配布しているよう」
イスメト・アトチュさんは、マナヴガト郡で苗売りと農薬業を30年間営んでいるが、ここ1カ月の混雑具合は前例にないと言っている。アトチュさんは業者が1日に2回商品を運んでくるにもかかわらず苗が足りないとし、以下のように話していた。
「外出制限令の発令以降に我々の仕事が増えた。増えたと言ったが、私は28年間この店で働いている。今回初めてまるで無料で配布しているかのような混み具合になっている。少し前にある客が来て、『隣にご近所さんの土地があって、そこを庭にした。住宅工事をするなら返す』と言っていた。隣の土地で栽培しているということだ。人々は家、ベランダ、植木鉢でやっているのだ。家庭栽培では経済的な期待はなくて、人は何かに没頭したいのだ。時間をつぶしたいのだ。」
■「先例をみないことだ」
アトチュさんは、混雑によって時折社会的距離を保つことが難しいことがあり、不安をおぼえていると言い、次のように続けた。
「ここへ来る客のほとんどが植物のことを知らない。玉ねぎはあるかと尋ねるが、知らないのだ。ピーマンを尋ねても知らないのだ。ナスだと思っている。栽培しようとは思っている。しかし何を育てようか、どうやって種を播くのか、苗を植えるのか知らないのだ。ただ彼らは暇になって、一生懸命になれる何かを探しているだけだ。外出制限令の解除から次の開始までの間にすごい数の需要があった。私はこれまでこれほどまでのことは一度も経験したことがない。『無料で配布します』と言ったってここまでにはならない。業者が1日に2回商品を運んできても足りないのだ。」
アルパスラン・ユルドゥズさんはマナヴガト県の五つ星ホテルの厨房で働いているが、アパートの庭に植えるためのピーマン、トマト、なすの苗を買いに来たという。メフメト・エルデムさんは自営業者であるが、ウイルスの影響で職場が閉鎖となり、だから自宅の庭に野菜の苗を植えると話していた。
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( 翻訳者:大谷菜々 )
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