2016年以降トルコで多くの場所が「要環境保護地区」リストに挙げられた。弊紙は読者のために最近宣言された場所をリストアップした。以下が「トルコの環境保護地区」である。以下が官報に掲載された数多くの知られざる隠れた景勝地である……。
◼︎絵葉書のような美しさで発見されるのを待っている、カスリキ山峡
3月4日に官報で掲載された大統領決定により確実に保護される繊細な地域として選出、宣言されたシュルナク県でのカスリキ山峡は、絵葉書のような美しさで発見されるのを待っている。カスリキ山峡は自然保護地域での危惧種2種を含む18の植物と危惧分類によれば4種、分布状況によれば危惧種1種を含む141種の動物が特定されていて、自然の美しさによって訪問者を魅了している。
新型コロナウィルス後の時期にここをルートに加えることをお勧めしたい。山峡はとても美しい。清らかで美しい環境がある。地域の親しみ、もてなしのよさや誠実さのすべてに価値がある。さらにカスリキ山峡のように美しさが加えられた所では、味わいがとてもよいのだ。
◼︎天国の一角、フウの森
キョイジェイズ郡、オルタジャ郡、ダラマン郡の境のなかにあるフウの木の森はリストで最も緑の多い場所だ。フウの木の森は文化ツーリズムの方面から夏の間、地域住民や外国人観光客が魅力に気づいた場所として記憶に残る。一方でフウの木は学名を「リキットアンバーオリエンタリス」といい、木から前に「火入れ」し、後に「泣かせて」得られる油は、化粧品の分野で使用されるうえに、防腐剤(として使用され)、寄生虫に対して効果があることで知られている。油脂は胃潰瘍に対してもとても効果があると言われており、また乾癬もよくなるとわかっている。フウの木はロードス島と中国にも少しあるが、トルコでは多くがキョイジェイズ郡、ダラマン郡、オルタジャ郡、マルマリスとフェトヒイェに自生していて、その油は世界的に有名なメーカーのパフュームやデオドラントの精製に使われている。
◼︎ではこの繊細な場所でフウの木はどのように生産されているのか?
フウの木は水の豊富な地域でのみ自生し、根が深くまで伸びずに地表にある。初めの工程として(木の組織である)形成層上で木の皮を剥がし傷をつける。これを「火入れ工程」と呼ぶ。気候が暖かくなるにつれて20〜30日待つと、皮が剥がれた所を「城壁」と呼び、再び傷をつけて15日〜20日後にこの新しい所から油脂がバルサムとして木から漏れ始める。
この漏れ出た脂を特殊スプーンと呼ばれる道具で繰り返し採取する工程が行われる。採取した皮付きの油脂の層を「マルグン」と呼び、腰につけたバッグに集めて大きな釜で煮出したのち、プレス機で絞り出された油脂が得られる。倉庫で集められた油は特別な工程を行い、全体として油を精製するために工場へ運ばれる。1年は木から油が採れ、2年休ませてから再び油が取れるようになる。
◼︎カイセリの新たな人気スポット 、トゥズラ・パラス湖
トゥズラ湖はカイセリ県サルオーラン郡の境にあるテクトニクス的形成の塩湖だ。水面の標高は1131m、長さ8km、幅8km、面積にして23.5平方kmである。断層に囲まれた内陸流域という特徴を持つパラス平原の最も低い場所である。
◼︎地域の真珠、ドネメチ葦原
リストに新たに加えられたエドレミト郡とゲヴァズ郡の境にあるドネメチ葦原は潜在自然保護地域で、保護状況の評価により「要環境保護地区」として選出、宣言された。
ドネメチデルタ(三角州)は鳥の存在や、自然の美しさの評判によって地域の新たな真珠と言われる場所だ。
◼︎アダナの隠れた絶景、アーヤタン・ラグーン
アダナのカラタシュ郡で約8kmの海岸地域をもつアーヤタン・ラグーン自然保護地域は海、ビーチ、砂丘、養魚場、湖とその周辺が際立つ自然の景色という要素のなかにある。
ここは、砂地の生物で絶滅の危機にあるアオウミガメのために重要な再生活動が行われている一方で、別の砂地の生物であるパンクラチュームマチリウムという花も分布している場所であるため、重要と指摘される。うなぎ、ウミガメ、地中海キクガシラコウモリ、インドタテガミヤマアラシ、イイズナ、エジプトマングース、ヨーロッパアナグマといった危惧種がここでは広くみられる。
地位は「水の豊富な場所」という特徴をもち、鳥が渡ってくる時期には訪問者が多く訪れるということで重要性がある。
◼︎緑の絶景、スルタン葦原
オスマン帝国時代のスルタンたちが狩猟地としていたことから名前をとり、その評判を得たスルタン葦原は地質時代に火山であるエルジイェス山の隆起とともに発生した、デヴェリ郡、ヤフヤル郡、イェシルヒサル郡のあいだの閉鎖水域の真ん中に位置している。
スルタン葦原では300超の種類の鳥と60万を超える水鳥たちの営巣が行われている。
◼︎青と緑の楽園、ケレベキレル渓谷
ムーラ県フェトヒイェ郡にあるケレベキレル渓谷はトルコでも手付かずの自然の絶景のなかにある。渓谷は350mに到達する急な岩壁で囲まれていて、その名を群生する80種を超える蝶(ケレベキ)から取っている。
渓谷は要環境保護地区に指定された。
◼︎ヴァンのパムッカレ、デレイチ ・トラバーチン層
バシュカレから35kmの距離にあるデレイチ街区にあるトラバーチン層は、標高2400(m)に位置している。トラバーチン(温泉層)の形成が続いていて、南側部分では水温が30〜35度であり、ヴァンの重要な自然遺産のなかに入っている。トラバーチン層は自然の素晴らしい絶景という特徴で春、夏には多くの訪問者とともに写真好きを惹きつけている。
またデレイチ・トラバーチン層自然保護地域で行われている活動では、危惧種1種を含む植物25種、固有種として両生類1種、爬虫類14種、鳥類41種、哺乳類8種、陸生無脊椎動物52種をはじめ合計116種の動物が確認された。発表されたもののうち、国際自然保護連合(IUCN)の分類では5種、分布状況によれば1種、固有種は1種が危惧種のなかに含まれている。
◼︎イペキヨル郡のエレキ山
またヴァン県のイペキヨル郡内に位置するエレキ山潜在自然保護地域はといえば、植物相として67種が危惧種であり、狭い地域に分布する63種の固有種を含む植物888種、固有種として両生類1種、爬虫類8種、鳥類88種、哺乳類7種、陸生無脊椎動物119種をはじめ合計223種の動物が確認された。このうちIUCNの分類では5種、分布状況によれば5種、固有種は6種が危惧種として伝えられた。
◼︎カッパドキアではない、ヴァナドキヤ
郡の中心部から33kmの距離にあるヤヴズラル村に位置する火山、イート山から噴出した岩石が雨水や風により侵食されることで表出した妖精の煙突(奇岩群)は、地域の人々から「ヴァナドキヤ」と呼ばれている。毎年多くの国内外の観光客を歓迎するヴァナドキヤでは、約1万7千の妖精の煙突、洞窟25箇所、洞窟住居12箇所が存在すると推測されていて、約20kmの土地にまたがっている。
妖精の煙突群だけではなく、同じ場所にあり近年降水の効果で表出した、何mもの長さを持つ多くのトンネルや洞窟も観光客の獲得を期待している。
◼︎多くの鳥類の営巣地、ソダル湖
ビトリスのアディルジェヴァズ郡にあるソダル湖潜在自然保護地域はヴァン湖水域にある鳥類学の観点からエルチェキ湖に続く、とても重要な場所として知られている。ソダル湖はヴァン湖の北方に位置し、およそ100mの砂の障壁でこの湖から分かれており、流水はヴァン湖へ続いていて、湖の周辺には3つの村が存在する。ただギョルドゥズ村にある部分にわずかな葦原が存在しているのみであるにもかかわらず、湖の鏡のような水面に何千という鳥がとまる。絶滅危惧のもとにあるカオジロオタテガモをはじめ多くの鳥類が冬以外の季節にはここで見られる一方で、冬にも湖とその周辺でオオハクチョウとガチョウの群れを見ることができる。湖の東にあるカヴシュトゥク半島にある麦畑のなかに夏の間、存続が世界的な範囲で危惧されているノガンの増加が確認された。また湖は冬には完全に凍る。
◼︎アフラトの真珠、ナズィク湖
ビトリスのアフラト郡にあるオヴァクシュラ町とナズィク村、ギョルギョレン村、ディルブルヌ村、クルッカヤ村の境界内に位置するナズィク湖はヴァン湖から25kmの距離、アフラト郡の北西にある。湖は40kmの土地、標高1876m、水深40〜50mで、カガミゴイ(ドイツゴイ)とヴァンフィッシュ(Alburnus tarichi)が養殖されている。
◼︎あまり知られていないコンヤの絶景、キョペキ湖
トルコの重要な水の豊富な地域の一つであるコンヤのジハンベイリ郡のキョペキ湖自然保護地域はというと、水が豊富な場所の生態系のなかにいる生物の豊かさに加え、種類もとても多い。まずトゥズ湖に近いため、そこで増加しているフラミンゴが年の大半を重要な休養地および子育ての場所として過ごすという特徴をもつ。多くのカモ、岸辺の鳥やシギとともに他の水鳥、また多くの鳴禽の仲間が年の大半を休養地および子育ての場所として湖を使っていて、異なる時期に行われる土地の調査でカイツブリ、サギ、カモ、岸辺の鳥、シギをはじめ、いくつかの猛禽類と多くの鳴禽の仲間も定期的に見られる。湖と草原を保持する稀有な場所であり、保持されている植物相と固有種のお陰でただの地域種のみならず、国内や国際的な希少性をもつこの場所では201種の植物が確認された。
◼︎フェトヒイェのカヤキョイとゲミレル・コユ周辺
要環境保護地区と宣言されたムーラ県フェトヒイェ郡の境界内にあるカヤキョイおよびゲミレル・コユ周辺自然保護地域には192種の植物が確認された。これらのうち10種を、固有種度の観点から危惧種と発表された。また自然保護地域では24種の危惧種を含む253種の動物も確認された。
◼︎ウスパルタの価値ある場所、カスナクオークの森
カスナクオークの森林は自然として唯一エイルディルにあるユカル・ギョクデレ村の境界内に自生している。1987年に「自然保護地域」と宣言されたユカル・ギョクデレ村の境界内に位置するこの森には、大きさ30mを超え、直径1.6mに届く樹齢650年のカスナクオークの木々が存在する。カスナクオークは小さいグループで密集して生えていて、土地が深く、窪んだ場所で最も良い発育がみられる。
まっすぐな幹で装飾や、パーケットリー(寄木細工)に使われているこの木は、以前は木の樽とゴム製品の製造で使われていたため、地域の人々によって「カスナクオーク」の名前で覚えられている。
218種の植物が確認された保護地域ではカスナクオークのほかに、トルコオーク、マケドニアオーク、アレッポオーク、レバノンスギ、ヨーロッパクロマツ、キリシアモミ、ネズの木、ノルウェーカエデ、カエデ、マンナトネリコ、ホソバトネリコのような木々とキツネ、アナグマ、イタチ、オオカミ、イノシシ、リスといった野生動物も生息している。カスナクオークの森はウスパルタからは69km、エイルディルからは32kmの距離にあり面積は1300ヘクタール、その色とりどりの景色には惹きつけられる。
最近リストに追加された他の場所は以下の通りだ。
オスマニイェのハルニイェ湧水帯
その他のコンヤの名勝地、テルサカン湖
ムシュの自然の美しさ、ハムルペト湖
イズミル県セルチュク郡内の保護地域
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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:49009 )