モロッコ:抗議活動による拘留者の釈放を求めたアムネスティ・インターナショナルを批判
2020年05月05日付 al-Quds al-Arabi 紙
■モロッコはリーフ地方での抗議活動の拘留者の釈放要求が国際規約の侵害だとしてアムネスティ・インターナショナルを批判
【ラバト:本紙】
モロッコは、アムネスティ・インターナショナルがリーフ地方での抗議活動により拘留された活動家らの釈放を要求したことに対し、国際規約の侵害だとして同組織を批判した。また、その動機が人権とは関連がなく、他の計画を遂行していると述べた。さらに、これにより同組織との関係を再検討することになるだろうと述べた。
モロッコ首相府付刑務所管理・社会復帰総本部(DGAPR)は昨日火曜日、「人権擁護を主張するアムネスティはコロナウイルスのパンデミックを利用し、ホセイマでの抗議活動の拘留者のみの釈放を呼びかけたことで致命的な過ちを犯した。このことにより、同組織の本当の顔を明らかにしたのである」と述べた。
本紙に寄せられたDGAPRの声明によれば、「人権擁護を主張するアムネスティのこうした立場は国際規約に違反する」。なぜならこれらの権利の本質は、民族的、地理的、宗教的帰属に関わりなく、人々を守ることであるからだ。そのため、アムネスティモロッコ支部がこうした過ちを犯すことになったのは、人権とは関連がなくむしろ他の計画を遂行するために人権組織としての一面を利用したことにあることが明らかになっている。また、同組織は、DGAPRが新型コロナウイルス流行阻止のために拘置所において拘留者を区別することなく予防措置を講じたことを認識せず目を瞑った。これは拘留者にかかる容疑を理由とするものでもなければ、地理的、民族的帰属を理由とするものでもない。DGAPRは拘留者をすべて自由を奪われた市民としてみなし、彼らを比較したり区別したりすることなく、こうした原則のもとで彼らに接している。
また、DGAPRは以下のように述べた。「アムネスティモロッコ支部は拘留者に対し差別的傾向があり、彼らの地位や、地理的、民族的、社会的帰属がどうであれ人権を擁護するという高尚な任務をこのように軽んじてきた。そのため世論のこの組織への信用を失うこととなった」。さらに以下のように付言した。「DGAPRはかつてアムネスティがこうした逸脱や差別的傾向からは無縁であるとしていたものの、この組織がこのような行為を続けることは、DGAPRが同組織と結んでいる全てのパートナーシップを再検討することに繋がるだろう」。
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( 翻訳者:今井綾香 )
( 記事ID:49038 )