サウジアラビア:石油とコロナは皇太子の輝かしい計画の足をすくう
2020年05月17日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ニューヨークタイムズ:石油とコロナはビン・サルマーン皇太子の輝かしい計画の足をすくい、サウジアラビア人は異なる未来に直面している

【ロンドン:本紙】

『ニューヨークタイムズ』紙は、ビビアン・リー特派員によるレポートを報じた。レポートによると、サウジアラビア最大の夢は壁にぶち当たったという。そして、コロナウイルス感染症と石油価格暴落がムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の提案した開発計画の足をすくっていると指摘した。

リー特派員は、サウジアラビアは女性のレスラーチャンピオンやスターラップ歌手、女性の車の運転や映画館といった、目まぐるしい変化を経験したと語る。また、リヤドの女学生ヌーラ・ハーリド(23歳)も12月に「かつてここには何もなかったのに、今ではあらゆるものがある」、「途切れることなく、あらゆることが急速に起こっている」と評した。しかしリー特派員は、今日サウジアラビアは殴られあざができていると語る。

コロナウイルスがサウジアラビア人から日常生活を奪い去ったのではなく、むしろ価格の暴落した石油が、新しいサウジアラビアが頼みにしている富をこの国から奪ったのである。

さらにリー特派員は、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の計画は、「サウジアラビアは永遠には石油に依存できない」という仮説の下、経済の多様化を図るものだと指摘する。観光とエンターテイメントの発展に加えて、社会改革はビジョン2030として知られている枠組みの下にある。今では、観光とエンターテイメントは均衡を欠いたものとなったが、数ヶ月前には絶頂期が来るような状態であったサウジアラビアは、石油価格暴落によってムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が約束したものとは異なる未来を迎えている。

(後略)

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( 翻訳者:伊藤遥 )
( 記事ID:49109 )