■レバノン:レバノン:「指名」をめぐる正教会派の危機的局面は続く。
総主教との会談で食い違う内容。
【レバノン:本紙】
任期満了を迎えるベイルートのズィアード・シュビーブ知事の後任人事を巡って、最近勃発した危機的局面が収まらない。
政府は同氏の再任を望まず、それどころかハッサーン・ディヤーブ首相は、ペトラ・フーリー厚生担当首相補佐官を後任に推薦する動きだ。ジュブラーン・バースィル議員に始まった正教会派の苛立ちの矛先は、首相に向けられた。「自由愛国運動」の議員らが、ベイルート総主教庁で開催された正教会派会談で、「バースィル議員は、すでに彼女の防衛省入りに同意した」と明らかにしたからである。すべてが周知のことで、しかも推薦は首相側から出たことにもかかわらず、今なお彼女は入省していない。
接触の動きは昨日(5月7日)も続いた。エリー・ファルザリー国民議会副議長とザイナ・アクル副首相は、ナビーフ・ビッリー国民議会議長を訪問し、議論の大部分を占め、それに関して双方が一歩も引かない案件の仲裁を求めた。双方、即ち、総主教および正教徒派と、ハッサーン・ディヤーブ首相派は、特に一部の議員が、首相補佐官に関して、正教会内部にさらなる不満を抱かせる発言をして以来、その亀裂は決定的なものとなった。
さらに、内閣広報室が、事態の改善を図るべく、ユーハンナー10世ヤージィジー・アンティオキア総主教と電話会談を実施したことが明らかになった。 その後、ニュースを配信した (写真1参照)。それによると総主教は、施政方針や政府の対策、特に行政上の指名における資格と公平性の基準(の決定)に関し、首相に協力すると強調した。
総主教庁は、「ヤーズィジー総主教は、指名では正教会の立場が尊重され、過去の指名で正教会が被った数々の不当は補償されるべきであると強く主張した。さらに教会はすべての正教会徒にとって、常に等距離であり続けると強調した」と伝えている。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:49128 )