トルコ船主雇用組合副会長兼船舶機械操作技術者会議室(GEMİMO)副室長でありインジェ商船技術部門のアフメト・ヤシャル・ジャンジャ氏は、コロナ拡大の影響で12万人のトルコ人乗船員が世界各地の海で足止めされており、帰国を待っていると発表した。
コロナウイルスの影響で国境が閉鎖されたことで、乗組員らにとっては厳しい試練が始まった。世界中の海上では、あらゆる貨物船舶の要員が各地の港に上陸する前に船上で足止めを食らっている。国際船員連盟(IFSMA)は、長期間船上に留まっている船員は誤操作リスクが上昇すると明らかにし、「各国政府への公開書簡」と題して発表した宣言書で、コロナウイルスの影響で閉鎖された国境を船員に開放し、人員の交代を許可することを要求した。
しかしヤシャル・チャンジャ氏は、国際船舶においては乗組員の交代は不可能であるとして次のように述べた。
■上陸さえできない乗組員達
「パンデミックが始まると航空便がストップした。そして各国は国境を閉鎖。こうした状況で船員らの港からの上陸も阻まれた。船舶が港に接近するのは自由だが、乗組員の上陸は禁止されている。つまり乗組員の交代も不可能だ。たとえその国が上陸を許可しても、国際フライトがないので(代わりの)人員を連れてくることができない。トルコに寄港した船舶だけが人員を交代できた。5月23日までにトルコ国内の港で下船したトルコ人乗組員は、指定された宿泊所での14日間の検疫期間を終え、現在は自宅でさらに14日間の検疫隔離中である。
■フライト再開が待たれる
世界中の海上には数千人のトルコ人の船員が働いている。個人として外国船に乗り込んでいるので、どれくらいいるのか調べるのは難しい。6万から7万、さらには10万~12万人のトルコ人乗組員がいると推定される。ターキッシュ・エアラインズがフライト再開情報を発表しており、フライト再開に合わせて乗組員が交代される見込みである。」
■コンテナ船とタンカーの3か月制限
「特にコンテナ輸送船とタンカーでは標準的な乗船期間は3か月とされている。その他の船舶では5か月以降、精神的な疲労が始まってくる。我々は乗組員を5か月を超えて働かせたくはない。このような経過で、船上の乗組員とよりよくコミュニケーションを取り、彼らが家族と連絡を取る機会を増やせるよう取り組んでいる。また、各船にはビタミンの補給も行われた。可能な限りの港で新鮮な野菜・果物を入手するよう指示している。わが社の船舶では数隻の船以外は問題はない」
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( 翻訳者:原田星来 )
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