ガザ:UNRWAは深刻な財政難により、一部スタッフとの契約を終了
2020年06月02日付 その他 紙

■財政危機で…UNRWAはガザでスタッフ数十人の雇用契約を終了
■UNRWAのアドナーン・アブー・ハスナ報道官は「終了する契約は臨時雇用のもので、障がい者のケアをする団体を含む現地のコミュニティ組織のスタッフの契約だ」と述べる

【ガザ:ヌール・アブ・アイシャ、アナトリア通信】

国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が苦しんでいる大規模な財政危機の結果、ガザ地区にUNRWAスタッフ106人の「臨時」雇用契約は終了となった。

ガザのアドナーン・アブー・ハスナUNRWA報道官は『アナトリア』紙に対して、「当機関は今月末に(臨時雇用を行う)失業者条項に基づき雇用したスタッフ106人の契約を終了することを決定した」と述べた。

また、同報道官は「終了となる契約は障がい者をケアする団体を含む現地コミュニティの諸組織のスタッフである」と続けた。

加えて、同報道官は「解雇されるスタッフの契約は過去数年にわたって延長されていた」と述べた。

同報道官は「この決定は当機関が抱える深刻な財政危機と雇用失業計画を背景に下された」と説明した。

併せて同報道官は「当機関はこれら団体や組織を支援するより効率的な方法を検討している」と明らかにした。

なお、同報道官によると2019年12月31日にUNRWAは70人のスタッフの(失業者向けの)臨時雇用契約を終了しているという。

UNRWAは今年3月、本来総額14億ドルの予算のうち約10億ドルが不足するほどの資金不足に苦しんでいると語っていた。

パレスチナ、ヨルダン、レバノン、シリアにいる530万人以上の難民にサービスを提供する同機関の財政危機は、2018年にアメリカが年間3億6千万ドルの支援を停止して以来急速に悪化した。なお、アメリカが支援を停止したのは「世紀の取引」として知られるアメリカの計画をパレスチナ人が拒否したことに起因する。この計画は、国際的な決議で認められたパレスチナ人の権利を甚だしく損なうものだ。

UNRWAは1949年、パレスチナ問題が公正に解決されるまで、パレスチナ難民にサービスと保護を提供することを目的として、国連総会決議によって設置された。

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( 翻訳者:伊藤隆 )
( 記事ID:49228 )