エルドアンのアヤソフィア「博物館」取り消し発議に関連、判決に注目
2020年06月09日付 Hurriyet 紙


タイイプ・エルドアン大統領がアヤソフィアの博物館としての地位を取り消し、モスクとして再び礼拝に開放するために働きかけるよう指示したことで、行政裁判所での裁判に注目が集まった。

持続的ワクフ歴史遺産・環境事業協会は、アヤソフィアを博物館に変えた閣議決定の取り消しのために裁判を起こし、行政裁判所第10法廷により7月2日に公判が行われる。

行政法の専門家と法曹界の中では、行政裁判所が判例に鑑みて、アヤソフィアの博物館としての地位の取り消しを求める訴えを退ける判断を下すのが有力とみられている。しかし行政裁判所は、1945年の閣議決定により博物館へと変えられたイスタンブルのカーリイェ・モスクに関して異なる判決を下し、これを棄却した。現在の動きの中で大統領令や法令をもって再是正されれば、アヤソフィアは、行政の裁量により再びモスクの地位を得て、礼拝に開放されることが可能である。行政裁判所の棄却判決は政府のこの専権の妨げとはならない。

■行政は裁量権がある

ユルマズ・ヤズジュオール准教授は、アヤソフィアの博物館としての地位が取り消され、礼拝に開放されるのは行政の裁量権[の範疇の中]であると述べた。

「アヤソフィアは1934年11月24日に閣議決定により博物館へと変えられた。行政上の専権は常に元に戻すことが出来る。行政上の手続きが、「権限・理由・形式・ 対象・意図」との点で法に反していた場合、取り消されることが望まれうる。今回の訴訟では[訴えの]棄却が予想される。今回の手続きは、理由・形式・対象・意図といった点では間違っていない。合法である。行政の裁量権の範疇の中でアヤソフィアは博物館として利用することが出来るし、モスクとしても礼拝に開放することも出来る。」

■同団体の二度目の訴訟

持続ワクフ歴史遺産・環境事業協会は、1934年の閣議決定の取り消しを求めて、行政裁判所第10法廷へ2005年に訴訟を起こした。裁判所はアヤソフィアが博物館として利用されることに違法性は見られないと訴えを棄却した。行政裁判所から結果が得られなかった同協会は憲法裁判所に個人的に訴えたものの退けられた。同協会は2016年に行政裁判所に二度目となる訴えを起こした。アヤソフィアの博物館への転換に関する決定の取り消しを求める中で、決定を下した書類上のアタテュルクの署名が偽物であるとも主張している。[4年越しの裁判で]7月2日の公判での判断が待たれる。

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( 翻訳者:岩坂翼 )
( 記事ID:49285 )