モロッコ:子供が泳いで帰国!
2020年06月09日付 al-Quds al-Arabi 紙


■子どもがセウタ市からモロッコまで泳いで帰国!

【ラバト:本紙】

モロッコ当局は、モロッコ人少年を拘束した。スペイン領セウタから泳いでモロッコへの帰国を試みていたところを逮捕された。この少年は(スペインの)マラガ市の学生だった。

あるモロッコの人権団体によると、少年はムハンマド・アラビー・リーニーといい、未だセウタ近くのフニデク市当局に身柄を拘束されているという。また、同団体はモロッコ保健省と内務省が、保健省の規定に従い少年に対して検査を行った後タンジェへの送還に関して何の決定も下さず、少年は悲惨な状況にあると述べた。

人権保護団体によると、この少年は日曜(7日)夜にスペイン領セウタからフニデク市へと泳ぎ始めたが、状況が悪くなりセウタで身動きが取れなくなったという。そして、ある仲介人から入国の便宜を図ると脅され、セウタ在住のブローカーのひとりがフニデク市当局の職員に賄賂を渡した、と同団体は語った。また、同団体はムハンマド・アラビー少年が当局に拘束されたままなのは人権侵害に当たるとして、本件に対して積極的な対応を取り、タンジェの両親の家へ戻るための便宜を図るよう訴えた。

モロッコは3月中旬より、新型コロナウイルスの蔓延防止対策の一環として、海、陸、空の国境を閉鎖し、訪問や治療、仕事、観光のために国外にいた自国民の帰国を許さなかった。先日セウタに取り残されていたモロッコ人700人のうち300人、またメリリャに取り残された300人、そしてアルジェリアに取り残されていた300人のモロッコ人の帰国が許可されたものの、帰国できないモロッコ人は3万2千人以上となっている。

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( 翻訳者:二瓶恵理子 )
( 記事ID:49289 )