宗務庁のメッカ巡礼・小巡礼事業のレムズィ・ビルジャン総局長は、「サウジアラビア関係者から2020年の巡礼基準、要件、期間、年齢、健康状態、定員の変更・減少の有無などの変更点に関し、いかなる正式な発表も我々のもとに届いてない」と述べた。
サウジアラビアが新型コロナウィルス感染拡大を理由に、今年のメッカ巡礼は「定員を20%に削減する」などという噂がメディアで話題となっている。ビルジャン総局長はこれらの疑惑に関してアナトリア通信記者に説明した。
同総局長は、イスラム教の五行の一つである巡礼はウンマそしてイスラム教徒間の意識を高め、強固にするとして、今年は230万人あまりがメッカ巡礼の事前申し込みを済ませていると語った。
また、今年の巡礼者を決めるため1月9日にくじ引きが行われたとして、大巡礼が困難な義務であると述べた。
ビルジャン総局長は大巡礼がその他の礼拝と大きく違うのが健康面の問題であると注意を促し、要件を満たす候補者は巡礼の義務を遂行する責任を帯びていると述べた。
また、巡礼に訪れるサウジアラビアでは日常が戻る最中にあり、一部の都市で外出禁止令が解除されたが、メッカでは一定の時間以外では外出禁止令が続いていると指摘した。
■「巡礼の候補者たち及び彼らの国の状況を注視する」
ビルジャン総局長は、新型コロナウィルス対策のもと、カーバが巡礼者には閉ざされているが、限られた人数で金曜日及び通常の礼拝時刻の礼拝は行われていると主張し、世界津々浦々からの巡礼候補者及び各国の感染状況の情報を注意して追っていると述べた。
総局長は、ことをうまく進めるためにも、あらゆる決定と状況を慎重に精査・吟味するとして、以下のように述べた。
「パンデミックや新型コロナウィルスの状況の中で、巡礼の実施の有無、実施されるのであれば、どのような条件で行われるのか、定員の削減、巡礼候補者の健康状態を証明する書類の提出、年齢制限、巡礼期間の短縮などに関する情報を我々は待っている。サウジアラビア関係者からは2020年の巡礼基準、要項、期間、年齢制限、健康状態、定員数の変更・削減の有無などの変更点について、いかなる正式発表も我々の元に届いていない。」
また次のように続けた。
「2020年の巡礼組織の中で宿泊の種類、年齢制限、巡礼期間がどうなるのかといった基準をサウジアラビアのハッジ・ウムラ省が明らかにする予定である。我々宗務 省としては、巡礼候補者たちが権利を破棄されず、正しい判断を下して行動することが、基本的考えである。サウジアラビアのハッジ・ウムラ省により何らかの判断が出された場合、省間大巡礼・巡礼委員会にこうした決定を提出し、討議、検討した後に、世論に2020年の巡礼に関する我々の一般的見解を発表する。」
巡礼候補者にはもう少し辛抱してほしいと懇願したビルジャン総局長は、宗務庁によって行われる発表を待つように求めた。
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( 翻訳者:山下鈴奈 )
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