イスラーム哲学:イブン・ルシュドのガザーリーへの痛烈な反論(1)
2020年06月17日付 al-Quds al-Arabi 紙

■哲学:イブン・ルシュドがガザーリーを論破する

【本紙:アズィーズ・ハダーディー】

哲学において、破壊とは、構造の破壊に他ならない。安定した構造は激しい破壊が基礎となっている。おそらく破壊そのものが最初の哲学者から現代に至るまでの哲学の歴史における第一原因であろう。だとすれば、哲学の歴史とはその歴史を読み取ることである。詭弁家でもない限り、哲学を形而上的に定義することを否定する哲学者はいない。詭弁家は、時代により、パトロンのために真実をゆがめることを強いられていた。では、哲学者たちが言っていないことまで彼らのせいにして批判したアブ
ー・ハーミド・ガザーリーは詭弁家だったのだろうか?いや、それ以上に、彼の著書『哲学者の矛盾』の背後には、アシュアリー学派の理論の受容があったのだろうか?しかし、ガザーリー自身が哲学者たちの意見を理解しているという疑念を克服するために、時代により、この本を書かされたとはどういう意味なのだろうか?

ガザーリーの時代の認識論、つまり哲学者たちの意見を認めないアシュアリー学派の認識論に対して鋭い指摘がある。彼は(哲学者による)虚偽と欺瞞を卑下した。そして、哲学者たちを中傷し、実際には主張していないことまで捏造した。というのも、行為を哲学者の誰一人もそれを人間に帰してはおらず、それを第一原因に帰しているからだ。しかし、ガザーリーは詭弁家として神秘主義へ回心し、ついには懐疑に陥った。そして、彼の言葉の全てが同時代の人々にとって詭弁的で誤りとなった。

(2)に続く

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( 翻訳者:藤原路成 )
( 記事ID:49341 )