レバノン:アメリカの異常なほど執拗な介入がレバノン情勢に影を落としている
2020年06月28日付 al-Mudun 紙

アメリカはヒズブッラーに対峙する:ISIS、暗殺、黒シャツ集団*の「再来」か!?

【ムニール・ラビーウ】

剣は鞘から抜かれ、隠されていたものは白日の下にさらされた。レバノン情勢に関するアメリカの立場が多岐にわたるあまりこのような熱狂的なレベルに達するなど、あり得ないことだ。

≪アメリカの4つの立場≫

未だかつてアメリカの複数の高官がヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長に名指しで返答したことはなかった。デイビッド・シェンカー国務次官補に続いて駐ベイルートアメリカ大使は、ナスルッラー書記長に直接返答し、レバノンの危機的状況がもたらした結果の責任をナスルッラー書記長に負わせた。レバノン情勢に関して4日間でアメリカの4つの立場が示されたのだ。それは、マイク・ポンペオ国務長官、デイビッド・シェンカー国務次官補、駐ベイルートアメリカ大使、そしてアメリカ中央軍司令官の立場であった。

これらの複数の立場は、レバノンのような小国の事情に無関心なときに言われる、お約束の外交の流れには当てはめることはできない。しかし、アメリカの立場が内包する激しい攻撃の息遣いの影響にレバノンは数か月前からさらされている。そして、この影響が将来悪い方向に強まっていくのは明らかである。

≪暗殺と黒シャツ集団?≫

今回のアメリカの複数の立場は、現在行われている措置とセットになっている。ヒズブッラーを窒息させ、その周囲にあるヒズブッラーの依り代を解体し、レバノン人が発生中の大崩壊の責任をヒズブッラーに負わせるためにレバノンを窒息させる、という明確な決定。これは危険な「ゲーム」であり、一歩間違えると流血の事態に陥りかねない。

おそらく民間人の血が、暗殺事件によって流れることになるだろう。つまり、治安の崩壊をもたらしかねない劣悪な生活状況について語ることとは全然違うものによって、血が流れるのだ。レバノン南部の道路が金曜日に封鎖されたのは、次に起こることに向けたリハーサルの一部であった。ヒズブッラーの返答は明白であった。複数の広報情報プラットフォーム は、ヒズブッラーの選択が黒シャツ集団であるということに喜んでいるというのだ。

(後略)


*黒いTシャツは、ヒズブッラーおよびシーア派民兵組織アマルの支持者の象徴となっている。

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( 翻訳者:萩原優太 )
( 記事ID:49475 )