イラク:宗派が創り出した怪物(3)
2020年07月09日付 al-Quds al-Arabi 紙
■イラク:宗派が怪物を創り出すとき
【ヤヒヤー・カビ―スィー】
怪物ISISとの闘いで、宗派の怪物は最も凶悪な罪を犯した。そして犯罪のいくつかを記録し、宗派内に熱意を広め、仮想の宗派の敵たちの心に恐怖の種をまくことに熱心だった!行われた戦争犯罪や非人道的な罪は、確実に政治的に、そして社会的にはより確実に保護された。さらに、犯罪を個人的な行為とすることで、正当化・合法化されることになる。そもそも加害者の身元が知れていればの話だが、こうしてイラクでは犯罪はその加害行為ではなく、加害者の身元に基づいて決定されるようになる。このように刑罰から逃れることが体系的な政治方針だった。したがって、犯罪に対するいかなる刑罰は、この怪物を冒涜することになり、ひいては宗派そのものを貶めることになる。
奇妙なことは、この黙認に国際社会も参加したことだ。ちょうど国際社会は、例え一時的にせよISISという怪物から逃れるためには、宗派の怪物の犯罪に口を挟まない方が得策だと考えていた。
(4)へ続く
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( 翻訳者:堀嘉隆 )
( 記事ID:49509 )