オマーン:湾岸アラブ国家として初めて大使がシリアへ帰任(2)
2020年10月05日付 al-Quds al-Arabi 紙

■シリア政府との断交以来、オマーンはダマスカスに大使を帰任させる最初の湾岸アラブ国家となる(2)

【ドーハ:本紙】

複数のオマーン政府筋は、今回の大使帰任はあらゆる国々への門戸開放原則に立脚するオマーンの外交方針に合致しており、合意形成のための努力が試みられていると明らかにした。また、今回の一歩は意見の不一致や紛争から距離を置くという古くから受け継がれてきた政策にも基づいているという。イエメン戦争に対するオマーンの政策でも同じ立場が取られており、オマーンはフーシ派(訳注:アンサール・アッラー)に対しサウジアラビアが主導するアラブ有志連合参加を拒否し、イエメン危機を解決するために対話の必要性を強調している。

オマーンは、バハレーンと同様大使館を閉鎖しなかった。またUAEは2018年末、アサド大統領への外交的な後押しとしてダマスカスの在外公館を再開し、臨時代理大使を置いた。なお、UAEはシリアの反政府武装勢力を支援した湾岸アラブ国家の一つであるが、その役割は未だシリアとの国交を回復させていないサウジアラビアやカタールのそれよりは目立たないものだ。

さらに、クウェートは2011年にシリアの加盟資格を停止させたアラブ連盟との合意形成ができれば、ダマスカスの在外公館を再開すると語った。

アサド大統領は、サウジアラビアとUAEの敵国たるロシア並びにイラン、そしてレバノンのヒズブッラーのようなイランの支援を受けたシーア派イスラーム主義組織の支援を受け、シリアの大部分の地域の支配を取り戻した。

一方アメリカ合衆国は、アサド政権の資金源を断つことをねらって新たな制裁を科し、シリア政府と商取引を行う人物は誰でも制裁対象者リストに載せられる危険性があると警告した。



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( 翻訳者:横尾龍汰 )
( 記事ID:50009 )