レバノン:人権団体が家事労働者の待遇を裁判所に告発
2020年10月08日付 al-Mudun 紙

レバノン:人権団体が家事労働者の待遇を裁判所に告発

■エチオピア人女性メセレト氏の事件はレバノンの法廷へ…奴隷制と人身売買のレバノン

【n.p. 本紙】

人権問題を扱うリーガル・アクション・ワールドワイド(LAW)は、レバノンで家事労働に従事する女性たちのショッキングな隷属状態を明らかにした。

LAWは、エチオピアの家事労働者メセレト氏(38歳)の雇用主たちが同氏を7年間アパートに拘束し続け、給料も支払っていなかったことを明らかにした。彼女は2019年まで拘束され、雇用主たちから日常的かつ継続的に深刻な人権侵害行為を受けていたという。

現在エチオピアにいるメセレト氏は、「月給を支払うよう要求するたびに雇用主に殴打を浴びせられた」と述べた。

LAWは10月8日(木)、メセレト氏の代理人として彼女への奴隷のような扱い、人身売買、拷問、人種差別の罪でレバノン刑事裁判所に告発したしたと発表した。またLAWは裁判所に対し、過去のこれらの犯罪について斡旋業者に説明責任を果たさせるよう要請した。そして、この一件がこの種の法律案件の中でレバノンの裁判所に告発された初めての事例であると発表した。なお、同国は現行法に従って、家事労働者に一切の法的権利を与えず、彼らの公民権を奪う「カファーラ(保証)」制度で有名である。

LAWのアントニア・マルヴィー事務局長は、レバノンでの話を公表したメセレト氏の勇気を賞賛すると共に、彼女の置かれていた状況は家事労働従事者への待遇に関してレバノンや同地域の国々で広く見られる問題を端的に示すものであることに遺憾の意を示した。そして「私たちは監禁されひどい扱いを受けている女性たちと協働している。雇用主の家から逃亡を試みて死亡した多数の女性の存在を私たちは把握している」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:猪股陽気 )
( 記事ID:50038 )