シリア:ロシアとシリアの軍事行動が激化、トルコは監視所撤退の動き
2020年10月31日付 al-Quds al-Arabi 紙

◼ロシア・シリアの軍事行動が激化 、トルコはハマー郊外にある第二監視所の撤退に向けて動く

【ダマスカス:ヘバ・ムハンマド、本紙】

トルコは、ハマー郊外に位置しロシアの勢力圏内でかつシリア政府の支配下にある新たな監視所から自国軍を撤退させる準備を進めている。その一方で、ロシア政府 はシリア北西部の最後の緊張緩和地帯でトルコ政府が防衛体制を敷く地区に対して軍事行動を再開している。シリア問題の専門家やウォッチャーの見方によれば、これは避けられない選択であるという。

これらはロシア・トルコ間の仲たがいと容赦ない抗争が続く状況下での動きである。トルコは軍事的な切り札、つまりユーフラテス川東岸での戦闘行為の再開によって自国の存在をほのめかすことで、ロシアがいかなる軍事行動をも断念させようと試みている。 一方、アゼルバイジャンやシリア、リビアの全てを含む白熱中の問題の中で(ロシアとトルコとの間に)分断が生じていることから、ロシアの特に最近の軍事行動の激化は、現在起きている危機に対するトルコ政府のハンドリングにロシア政府が不満を持っていることを示している。

また複数の情報筋によれば、ロシアの偵察機が多数飛行する中で、イドリブ南部郊外のザーウィヤ山地区に位置するカンスフラ町やスフーフン村、カフル・ウワイド村、マウザラ村に対する政府軍によるミサイル攻撃が観測されたという。

さらに、このミサイル攻撃と同じタイミングで「決戦」作戦指令室とシリア政府軍との間で砲撃戦が発生し、そのことがシリア政府軍のイドリブ郊外での前進を不可能にした。つまり、「決戦」作戦指令室がシリア軍の攻撃を退けたのだ。一方、シリア人権監視団は政府軍の兵士二人の死亡と多数が負傷、「決戦」作戦指令室側の戦闘員四人が負傷といった、双方の人的被害を確認した。

(後略)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:安井日寧子 )
( 記事ID:50117 )