アルジェリア:アマーズィーグ人の王の彫像をめぐり論争が白熱(2)
2021年01月12日付 al-Quds al-Arabi 紙


■彫像とファトワーのはざまで…アマーズィーグ暦新年を迎えるアルジェリアの「頭痛」

【アルジェリア:アナトリア通信、フッサームッディーン・イスラーム】

(1)に戻る

〇宗教的祝祭日か、慣習か、あるいは捏造か

金曜日〔8日〕、アルジェリアではアマーズィーグ暦新年を祝う公式行事の数々が始まった。マーケットが催され、書籍や伝統工芸品、クスクスやシャクシューカをはじめとする伝統料理などが並んだ。

元宗教省顧問であるアッダ・ファッラーヒー氏は、アナトリア通信に対し、「『ヤナーイル』の祝賀は、毎年アルジェリア人が祝ってきた文化遺産である」と語った。

同氏は、「アマーズィーグ暦新年は、家族や友人の間で喜びや親しみを共有するための機会である」と述べる。「ヤナーイル」の祝賀を禁止する動きには、同氏が「イスラーム法学者もどき」と表現した一部の人びとの、祝賀とその拡がりに対する狭量な姿勢が見えるという。

さらに、「『ヤナーイル』を禁止するファトワーは毎年出回っているが、これはアルジェリア社会の一般的な状況とは相容れないものである。アルジェリア人が祝い、喜びと幸福を見出してきた文化遺産を禁じることがあってはならない」と話す。

ファッラーヒー氏と同様に、首都の東部に位置するベジャイア県の高校でイスラーム法を教えているムバーラク・アクドゥーシュ教授は、「『ヤナーイル』の祝いはアルジェリアが誇る文化遺産である」と述べた。

同氏によれば、「『ヤナーイル』は宗教的な祭日ではない。祝賀に見られる多神教的な様相は『ヤナーイル』それ自体に起因するものではないし、大多数のアルジェリアのアマーズィーグ人もそのことを遺憾に思っている」という。

そして、「『ヤナーイル』が偶像崇拝や多神教と結びついているような様相を呈しているとしても、それは、アルジェリアの気高きカビール地方*が誇る本来の文化遺産を表すものではない」と語った。

さらに、「この祝賀が宗教的で、神聖視されているなどと主張する者はおらず、ましてイード・フィトルや犠牲祭と比べる者などひとりもいない。『ヤナーイル』は、信条や信仰の側面とは無関係の文化遺産である」と強調する。

(3)に進む

*カビール地方:アルジェリアで最も多くアマーズィーグ人が居住している地域のひとつ。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:下宮杏奈 )
( 記事ID:50517 )