エジプト:アラビア書道文化の豊かな歴史とその未来・・・(1)
2021年07月27日付 Al-Ahram 紙
■アラビア書道…危機に瀕する伝統芸術
【アシュート:本紙】ハマーダ・サイード、ワーイル・サミール
エジプトの歴史の奥底に根ざした芸術形態のひとつでありながら、ファラオ文明とイスラーム建築芸術を結ぶ連関を象徴する「アラビア書道」は、現実的かつ危機的な窮地に直面している。というのも専門的な大学においても、芸術学部や芸術に特化して教育を行う学部として、アラビア書道を専門的に学べる学科がひとつも存在しないのである。
元教育省長官のユスリー・ガマル博士は本紙に対し以下のように述べた。「アラビア書道は我々の美しいアラビア言語であり、(伝達)手段である。そしてそれは何世代にもわたり、その過去をその現代における様相に投影する鏡を創り出しているのだ。アラビア書道は、かつては形式的な装飾あるいは絵画であっただけでなく、アラビア語の豊かな器、あるいは言語の伝達手段ともなった。それは数世紀にわたり、多彩な芸術的形姿をとりながら、我々のアラブ的・イスラーム的遺産の足跡や現れを見守ってきたのである。このことは、このメッセージを伝えることに身を捧げた偉大な書道家たちの作品に見られる」。
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( 翻訳者:中嶋甘奈 )
( 記事ID:50618 )