シリア:岐路に立たされるクルド民族主義自治政府
2021年02月02日付 al-Quds al-Arabi 紙


■ユーフラテス川北部のクルド民族主義自治政府は困難な選択に直面している

【ダマスカス:本紙】

クルド民族主義勢力の「自治政府」とシリア北東部では弱い立場にあるシリア政府軍の間で緊張が高まると同時に、反体制諸勢力とシリア北部に広がるシリア民主軍「カサド」の間で衝突の激化が続いている。シリア政府軍は20日以上にわたりハサカとカーミシュリーの二つの町の中心部で包囲を受けているが、これは「カサド」がアレッポ市内で自身の支配下にある複数地区および同市の北部郊外地域(人口のうちクルド人が過半数を占める)に対して実施しているものである。カサドは、トルコ軍の支援を受けた政府軍側による即時攻撃のリスクを負いつつ政権と対立するか、シリア政府を利するために完全撤退を行うかの厳しい選択に置かれており、オブザーバーらはこれがカサドを終焉に追い込む可能性もあると解釈している。

シリア政府は、クルド民族主義民兵部隊(=カサド)がハサカおよびカーミシュリー内の(政権)支配地域に対して課している残酷な包囲行動を非難し、同組織に対する電力供給を切断し、道具類や物資、食糧の供給を制限した。一方カサドは、包囲解除の引き換えとして、政府軍がアレッポ市内の支配地域シャイフ・マクスード地区およびアシュラフィーヤ地区とアレッポ北部郊外に位置するタッル・リファアト市に対する包囲を解除することをはじめ、多くの条件を提示している。これらの地域では、政権が食糧物資を運ぶ車に対し検問所で税金やロイヤリティを課すなどして食糧、燃料、医療物資の入境を制限しており、包囲地域内でこれら物資の価格が上昇している。

(後略)

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( 翻訳者:鈴木紀行 )
( 記事ID:50619 )