アヤソフィアのイマームの「憲法から世俗主義条項削除」発言に波紋
2021年02月14日付 Cumhuriyet 紙
新憲法から世俗主義条項を削除するよう呼びかけを行ったアヤソフィア・モスクの「筆頭イマーム」メフメト・ボイヌカルン氏が、大きな批判を呼んだSNS上の発言に関し「削除せよ」という指示を受け付けないと言われている。宗務庁の高官からの電話にも出ないとされるボイヌカルン氏は、アンカラの影響力を行使していると言われている。
「新憲法」論議にSNSのアカウントを通じて参戦したアヤソフィアの「筆頭イマーム」メフメト・ボイヌカルン氏の世俗主義へ挑む激しい発言は、公正発展党寄りのメディアとイスラム主義者を対決させた。
ボイヌカルン氏は、ツイッターアカウントでトルコ共和国の基本原則の一つである世俗主義条項を憲法から削除する方向での呼びかけを行い、「1921年憲法と1924年憲法では、国家の宗教はイスラム教であり世俗主義はなかった。共和国は工場出荷時に戻れ。」と述べた。
ボイヌカルン氏の発言が議論を呼ぶ中、公正発展党寄りのインターネット情報メディアグループ代表である新聞記者のハディ・オズウシュク氏は、YouTube上の番組でボイヌカルン氏を厳しい表現で批判した。
オズウシュク代表は、ボイヌカルン氏に対して「あなたは一介のイマームであり、あなたに今の職務を政治をやれと授けたのではない。あなたに憲法から世俗主義条項が無くなるよう発言するという仕事が下ったのか。あなたは何者なのか。誰から権限を与えられたのか言え、それに応じて振る舞おう、どう対処しようかと。誰のためそう振る舞っているのか。あなたは企み事をしているのだ。陰謀がどういうことかを熟知する者として、あなたの発言でトルコを混乱させることになるのが、わからないのか。ああボイヌカルン、首を違えてみれば。世俗主義のことがあなたになぜ関係するのか。」と呼びかけた。
■全員に強硬姿勢
ボイヌカルン氏に関する調査を行ったとしたオズウシュク代表は、「このイマーム氏はアンカラのある人々の影響力を行使している。誰かはわからない。この影響力を使って彼に指示が出されているのにも関わらず、『あのツィートを取り下げよ』と言われたにも拘らず、自分勝手に振る舞い続けている。『何の理由があって、私に干渉するすのだ』と述べている。電話にも出ない。週5日の代わりに2日間礼拝を指導している。政治に携わる代わりに、信徒の人たちの先頭に立って礼拝を指導せよ。今日、私にある人物が電話をしてきた。このボイヌカルンは、そこでの宗教指導者全員に強い態度で臨んだそうだ。『あなた方に金曜礼拝を指導させない。わたしだけが行う。』」とその人物は語った。
オズウシュク代表は、「この男がこのままでいられるのか。警告を発せる人物はいないのか。宗務庁長官アリ・エルバシュに伝えたい。誰がこの男を守っているのか。すぐに免職しなければならない。この男がモスクで働くのは許可できないし、あってはならない。」と述べた。
■イスラム主義者を怒らせ謝罪
オズウシュク代表のこの放送後、イスラム主義者の周囲と与党の[ネット上の]トロール連中たちから批判が集中した。そのグループはツイッター上で「ハッドスズ(身の程をわきまえない)・ハディ・オズウシュク」というハッシュタグを開設しオズウシュク代表の発言を批判した。
これを受けて声明を出したオズウシュク代表は、動画を削除し謝罪した。
同代表は次のように発言した。
「友の皆様、ごきげんよう、皆様から届いた批判は従わざる終えない力があり、仰せの通りにいたしますと述べた通りです。特に私のやり方について厳しい批判を受けました。その通りで、批判をする際に[私のやり方は]目的を逸脱するものでした。ほぼすべての方がこの考えで一致されました。ならばあなた方の言うことに耳を傾ける必要があります。悲しませ、心を傷つけたすべての方にお詫びします。ビデオを削除しました。」
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( 翻訳者:新井慧 )
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