ヒュッリイェット紙が昨年12月に報じた、ファティフ地区で地表部分がナイロンカバーで覆われ荒廃していた500年の歴史あるアスデ・ハトゥン墓廟の修復工事が始まった。イスタンブル広域市は、並行してセイイディ・ヴェライェト墓廟とセラハッティン・ウシャキ聖人墓廟についても修復工事を行うとしている。
イスタンブル・ファティフ地区にある、バヤジット2世の乳母であるアスデ・ハヌムの墓廟の内部が劣悪な状態であるとヒュッリイェット紙が報じた後、ワクフ総局は同局が墓廟を保有し、管理・修繕はイスタンブル広域市(IBB)が行うと明らかにした。その後3ヶ月が経ち、イスタンブル広域市は墓廟の修復工事の準備を開始した。
■3基の墓廟が同時並行
修復工事が開始された後、墓廟の地表部分を覆っていたナイロンカバーが撤去された。墓廟の壊れた鉄扉は修復されることが決定した。墓廟の周りは鉄板で覆われ、許可のない出入りは禁止される。
修復工事に関して、IBBのマヒル・ポラト副事務局長は次のように述べた。「墓廟はイスタンブルの宗教、並びに文化の歴史という意味でとても重要なものだ。セイイディ・ヴェライェト墓廟とアスデ・ハトゥン墓廟、そしてその向かいにあるセラハッティン・ウシャキ聖人墓廟について、それらの周辺にある墓も含めて修復することになった。我々はこれら3つの墓廟の修復工事を同時に開始する。ここはオスマン帝国時代の広場であり、現在まで残った数少ない広場だ。これら3つの構造物は全て劣悪な状態にあり、冬の気象条件に耐えて尊厳ある状態に近づくような形で修復工事を開始した。短期間で工事を完了し市民が訪問できる状態にしたいと思っている」
■「中にゴミが捨てられていた」
ポラト副事務局長は、墓標は中にゴミが捨てられるほど管理が行き届いていなかったとしたうえで「アスデ・ハトゥン墓廟はとても劣悪な状態に置かれている。扉と外のカバーの補強、外部の清掃のほか、必要に応じてその他の修復工事も行い、歴史の綾を守る。窓々からは雨水などが浸入し、現在は墓廟の内部にゴミが捨てられているほど管理が行き届いていない状態だ。これらの対策を施し、発生の可能性をなくすために努力していく」と述べた。
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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:50744 )