レバノン:エネルギー大臣の発言が議論を引き起こす
2021年06月18日付 al-Quds al-Arabi 紙
■燃料危機のため…レバノンのエネルギー大臣が「車以外」の利用を呼びかけ、議論を引き起こす
【ベイルート:本紙】
暫定政府のレイモンド・ガジャルエネルギー大臣が「20万レバノン・ポンドのガソリン缶の代金を支払うことができない者は車の使用をやめ、他の物を使うだろう」と国会で発言したこと対して釈明を行ったが、レバノンの多くの活動家たちは納得しなかった。
また、エネルギー大臣が何なのか明言しなかったこの「他の物」という発言を受けて、人々は移動のための燃料を必要としない「ロバ」のことではないか、というふうに考えるようになった。一方で大臣は、ジャーナリストのマルスィール・ガーニム氏とのインタビューにおいて、代替案を探す必要性について話した際に私が意図していたのは「*給付金カード」のことだと明らかにした。
S N Sは既に大臣の発言に対する驚きのコメントで炎上しており、特に「レバノンには公共交通機関としてのバス、列車、トラムはないし、電気自動車もない」というコメントで盛り上がっている。また一部の人々は、大臣の発言を「ガソリンを買うことができないレバノン人に対する侮辱であり、道徳的、倫理的な冒瀆である」とみなした。
コメディー俳優のシャーディー・マロン氏は大臣の発言について、「俺たちの支配者ガジャル(エネルギー大臣)」とコメントしている。また、ジャーナリストのラーニヤ・ガスィーバ氏は、「私はベイルートからジュニーエへの急行列車の切符を予約した」とコメントを記し、「ガジャルは何も知らせてくれないから、どなたか帰りの時間を知っている人はいるかしら」と尋ねた。
(後略)
*給付金カード:レバノンでは、各種補助金が撤廃される代わりに貧困層を対象とした電子マネーを介した給付金の配布が行われている。この給付金の受け取りおよび使用手段となっているカードのこと。
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( 翻訳者:笠井野乃果 )
( 記事ID:51223 )