「女性暴力禁止」イスタンブル条約からのトルコ脱退差し止め棄却に反発の声
2021年06月30日付 Cumhuriyet 紙
イスタンブル条約脱退の決定を差し止める請求が行政裁判所によって棄却され、これに政治家たちは反発を示した。
公正発展党所属のエルドアン大統領の決定によって、トルコが最初の署名国であったイスタンブル条約から脱退することは反発を生む原因となった。条約に関して共和人民党、善良党党首であるメラル・アクシェネル氏、女性団体、個々の市民らがそれぞれ行政裁判所へ行った200件を超える「執行差し止め及び決定の破棄」を求める請求に判決が出た。
行政裁判所第10法廷は、イスタンブル条約が大統領の決定により無効化されたことに関して起こされた訴訟において、「条約撤廃の決定の取り下げと執行の差し止め」の請求を多数決により棄却した。行政裁判所の決定に対し、政治家らがソーシャルメディアで反発を示している。
共和人民党の副党首でありイスタンブル選出国会議員のガムゼ・アククシュ・イルゲズディ氏は、Twitterに投稿を行い、「がっかりせず、うんざりせず、ひるまずにイスタンブル条約の存続を訴え、条約のために我々は闘い続ける。」と述べた。
イルゲズディ氏の投稿は以下の通りだ。
「イスタンブル条約からひとりの署名で脱退することも、行政裁判所が下した判決も、不法なものである、規定がないものだ。我々はがっかりせず、うんざりせず、ひるまずにイスタンブル条約の存続を訴え、条約のために闘い続ける。」
反発を示したもうひとりの人物は、共和人民党のエスキシェヒル選出国会議員であるジャーレ・ヌル・シュリュ氏である。シュリュ氏は投稿の中で、「『憲法とトルコ大国民議会に関わらず私が決定する。』と語る一人の男性は、女性の将来に関して決定を下せない。イスタンブル条約からの脱退の決定も、行政裁判所の否決も我々は認めない。7月1日木曜日、共に集おう!」と述べた。
■「条約は子供たちも守る。」
共和人民党のメルスィン選出国会議会議員で弁護士でもあるアルパイ・アントマン氏は、反発の根拠として「エルマル事件」の判決に触れて、以下の様に述べた。
「イスタンブル条約は女性だけではなく、子供たちも守っている。まさに2人の子供を虐待した者らを釈放したエルマル事件と同日に、行政裁判所は、イスタンブル条約の決定の差し止め請求を棄却した。あなたがたは誰の側なのだろうか。子供なのか、虐待した者たちであるのか。」
共和人民党のアイドゥン選出国会議員であるスレイマン・ビュルビュル氏は、「エルドアン大統領は、行政裁判所のメンバーにイスタンブル広域市が公正発展党時代 に第一法律顧問としていたリュトフィエ・アクブルト氏を任命した。今、リュトフィエ・アクブルト氏の票も合わさり2対3で、行政裁判所第10法廷は、大統領が行ったイスタンブル条約脱退の執行差し止めを拒否したのだ。」と投稿している。
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( 翻訳者:岩坂翼 )
( 記事ID:51261 )